入浴で痺れ(しびれ)が増す場合の工夫と対処 - 体の不調・各部の痛み全般 - 専門家プロファイル

奈良 修次
ナラ鍼灸院 院長
大阪府
鍼灸師 臨床検査技師

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:体の不調・各部の痛み

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

入浴で痺れ(しびれ)が増す場合の工夫と対処

- good

  1. 心と体・医療健康
  2. 体の不調・各部の痛み
  3. 体の不調・各部の痛み全般
温熱治療 痛み 痺れ

抗癌剤によるしびれは使用して2週間くらいから指先や足先や、足裏などに違和感とともに訴えることからはじまります。


個人差にもよりますが、抗癌剤の使用回数が増すに従いしびれの症状も強くなっていきます。


一端しびれを起こすと、軽くしたり、治すことは困難で、早期発見して軽くするというエビデンス(科学的根拠)自体がありません。


現状では神経障害を覚悟したうえで使用し、しびれが限度に達した時点で中止するか、しびれという副作用を起こす抗癌剤の使用前の説明やセカンドオピニオンの最初から使わないのが一般的な対応です。


しびれには個人差があり、しびれ治療にもよりますが治療が終わるのが1~2年なのか10年もかかるのかは人によってわかりません。


24時間常にしびれていて、歩くのもぎこちなく、外に出かけるのもおっくうになってしまい行動もままならず、手で物をつかむにもぎこちなく、文字を書くのにも力がいれにくく困ってしまいます。


一日を終えて、せめてお風呂でその日の疲れをいやすのに気持ちよく湯船につかりたいのに湯に手や足をつけるとしびれ感が増して入浴もままならない人もおられます。 


手や足を湯につけてもいい感じで入浴できる方法


患者さんに勧めている方法


1.白手袋や靴下をはくことで問題なく湯船に入れる場合があります。


2.薄手のポリエステル製の使い捨てフィット手袋や足には薄手の保存袋をはくことで問題なく湯船に入れる場合があります。


手袋や靴下をしてでも入浴法をすすめる二つの理由


一つ目は、入浴法が可能であればヒートショックプロテイン(HSP)が増やすことができます。

HSPにはリフォールディングといって傷ついたタンパクを修復して元の元気な細胞に戻す働きがあります。修復できない場合にはそれが細胞に悪影響を与えないように分解する働きがあります。


痺れの原因であると考えられている末梢神経のDNAの傷を修復して元の元気な細胞に戻すことを期待するのです。


二つ目は、HSPは免疫増強剤として働きます。これをHSPワクチンと呼ばれています。

HSPは癌の抗原性を高めて、HSP-癌抗原となり、樹状細胞などの抗原提示細胞に取り込まれます。

すると抗原提示細胞は、その癌抗原を持つ癌細胞(HSPを増やす加温をした人の癌細胞)を攻撃するようにキラーT細胞(CTL)に指令します。

指令を受けた殺し屋リンパ球のCTLは正常細胞を攻撃することなく、HSPを増やす加温をした患者さんの癌細胞だけを認識して攻撃するのです。


HSPを増やす入浴法(筋ポンプ入浴法)を身に付けてしびれだけでなく癌も一緒に治していきましょう。


ナラ鍼灸院院長 奈良修次



このコラムに類似したコラム

手足の痺れ(しびれ)を楽にする方法 奈良 修次 - 鍼灸師 臨床検査技師(2012/12/18 15:18)

強く押すと治った気になってしまう 井元 雄一 - WHO基準カイロプラクター 健康科学博士(2012/03/30 08:00)

梨状筋症候群(椅子に座るとお尻が痛む) 川井 太郎 - メディカルボディチューナー(2015/11/10 10:00)

腰部脊柱管狭窄症(高齢者に多い腰痛) 川井 太郎 - メディカルボディチューナー(2015/10/27 15:01)

講演会「発達障害を考える」 Dr. J.ホルダー 遠藤 光政 - カイロプラクター(2015/07/31 08:47)