建築基準法と日照権 - 住宅設計・構造全般 - 専門家プロファイル

岡田一級建築士事務所 
大阪府
建築家
06-6714-6693
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:住宅設計・構造

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

建築基準法と日照権

- good

  1. 住宅・不動産
  2. 住宅設計・構造
  3. 住宅設計・構造全般
●Coffee Break

住宅街の一角に高層マンションが建てば、近隣住民は快く思いません。まして自宅の隣りにマンションが建てば心理的圧迫だけでなく、プライバシーを侵害されたり日蔭の生活を強要されてしまいます。その為に建築基準法では、日影規制を定めています。しかし・・・・

都市計画法では、地域の状況に応じ建てるべき建物を誘導しています。元々工場が多い地域は工業地域や準工業地域と云った工業系の地域。オフィスビルや商店街のある地域は商業地域や近隣商業地域。住宅が建ち並ぶ地域は住居系地域として細かく7種類に分かれています。最も規制が厳しいには、第一種低層住居専用地域と呼び、殆ど高層建物が建てられる余地がありません。最も規制が緩いのが準住居地域で行政により日影規制が無い地域まであります。そういう風に地域を分けて住居系地域に無暗に高い建物や騒音が出る建物を建設させない事を定めています。しかし都市計画法には政治的配慮も含まれます。今は住宅ばかりだけど新駅を造るので、商業系地域に指定するとかです。

此処に日照権の問題が発生します。用途地域としては商業地域であるのに、住宅が建ち並んでいる。建築基準法上は高層ビルを建てても構わない地域に、昔からそこで生活している人たちがいると云った状況が出来てしまうのです。建築基準法では自分たちの居住権を守ってくれない、むしろ侵害されてしまう。日影規制だけではどうにもならないので、民法で日照権を争うことになるのです。
しかし、この日照権と云う権利は確率されたものではなく、非常に希薄な概念なのです。地域住民の団結力が強く、訴訟費用を各自が分担してでも争う姿勢があり、仮に敗訴して賠償を負うことになっても構わないくらいの姿勢が地域住民に要求されます。そこまでの団結力が無ければ訴訟は出来ません。

建設会社と建築協定を結び、少しでも建設中の不具合を解消して、建築主には建てる事は認め、そこから派生する地域住民の不具合を協定書を締結して解消していくと云うのが一般的な解決法となっています。

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(大阪府 / 建築家)
岡田一級建築士事務所 

木造住宅が得意な建築家。

建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。

06-6714-6693
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「●Coffee Break」のコラム

ゴム手袋で握る寿司(2017/01/19 10:01)

カテゴリ このコラムに関連するサービス

メール相談 新築・増改築のご相談

住宅性能表示制度や長期優良住宅やエコポイントにも対応する、環境とお財布に優しい住まいの提案

料金
無料

経済的な熱損失計算(性能基準)で、次世代省エネ基準を取得できる提案をします。
構造等級3を基本にご相談いたします。木造三階建て等で行う応力度計算も自社で行いますので、意匠と構造の齟齬がありません。
また、IAU型免震住宅設計資格取得者として、免震住宅等の相談も行っています。

新築・増改築のご相談

このコラムに類似したコラム

大宮の敷地 小木野 貴光 - 建築家(2012/10/17 14:00)

渋谷_新らし風景とそのままの情景 岩間 隆司 - 建築家(2021/02/06 13:43)

【自由が丘の家】 売却にまつわる物語 西島 正樹 - 建築家(2016/04/21 19:18)

【光を抱く家】雑誌掲載されました 西島 正樹 - 建築家(2015/01/07 16:40)