- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
それでいいのか福祉住宅?・・4
一番難しいのは・・
まだこない将来を想像して福祉を考慮した住宅などを建てることです。
誰もが考えることなのですが・・
誰もがいつかは年をとる。
誰もがいつかは病気になる。
そしてたいていの場合、住宅というのは一生そこに住むものです。
ですから・・
住宅というのは将来、年をとったときにも対応できるよう、あるいは対応できるよう直せるよう作っておくのが基本です。
そう・・
少し余裕があると、誰もがそう考えます。
それはは当然正しい!
が・・
それは、だから若いうちから福祉住宅を建てて住む・・
ということではない。
完全バリアフリーのまったく段差なしで・・
平屋で、あるいは最初からホームEV付きで・・
車椅子可なホームEVを付けておけば将来も2階で暮らせるから安心?
もし、あなたの家族の誰かが車椅子でも電動車椅子に乗るようになれば、あるいは介助型の大型車椅子の必要があれば・・
その1人乗りホームEVでは乗れません。
3階建てならとにかく若いうちから2階に上がるだけに毎日EVを使う人がいるのでしょうか?
使いもしないものに大枚はたいて毎年安くない維持管理費を払い続けなければいけません。
お金持ちなら当たり前のことなのでしょうが・・
では・・
どうする?
将来ホームEVや昇降機が付けられるようにしておく。
あるいは・・
1階で暮らすことが出来るように考えて建てておく。
手摺りが将来必要になりそうな所には付けられるようにしておく。
これは、鉄筋コンクリートや鉄骨造の住宅の場合は絶対に必要なことです。
やってないと簡単には付けられないのです。
スロープがいるようになるかもしれない所には付けられるようスペースを考えておく。
お布団がお好きな方でも、将来ベッドになるかもしれないことを考慮しておく。
車椅子でも入れる廊下や間借りや建具ドアにしておく。
間取りプラン大きさ広さだけは将来もどうにも出来ません。
通れない廊下・・
ではすまないのです。
まったく段差のない住宅というのは空間としてものっぺりとして面白みがありません。
ですからデザイナー何タラ系の住宅やマンションはみなみな室内段差やらロフトやら中二階やら・・
むしろ、若いうちやお子さんなどは、そういう日常的に必然的に動くことになる家の方が健康的で良いことです。
それでも将来こうすれば出来るよ!
としておく。
今やってしまっておくと・・
将来のその時にどうなっていて、どうしたいかは・・
わからない。
だから、こうすれば出来るよ!
としておく。
ことが一番大事です。
Atelier繁建築設計事務所HP
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