- 松下 雅憲
- 株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
- 東京都
- 店長育成・販売促進ナビゲーター
対象:人材育成
会社とか組織って不思議なものです。
各個人や部門は、それぞれの目標を達成しようとします。
すると、何故か、会社の目標は、達成出来なくなる。
不思議です。
つまり、各部が頑張って自分の目標を達成しようとすればするほど、お互いに足を引っ張り合うのです。
同じ会社、同じ会社目標を持っているはずなのに・・・
何故、そう言う事が起こるのでしょうか?
私が関わってきた仕事で、それの最たるものが、
「営業部(店舗)」VS「店舗開発部(新店)」のせめぎ合いです。
このどちらかに関わった人は、「だよね~」と思うことがたくさんあると思います。
チェーン店舗ビジネスを展開する企業の営業部は、既存店を担当しています。
一方で、店舗開発部は、新店を担当しています。
新店を作ると、完全に新しいマーケットではない限り、既存店のマーケットに影響を与えます。
つまり、新店が既存店の売上げを食っちゃう!と言うことです。
これが、他社競合の新店ならば、文句の言いようがないので、そのまま他社のせいにしますが、
自社内の新店でインパクトを受けると、文句を言う相手が目の前にいるので、そこに矛先を向けます。
営業部が管轄する、既存店は「前年売上」をベースに評価をされます。
既存店前年比、と言う奴です。
だから、自社の新店による影響を非常に嫌います。
新店は、良い迷惑なのです。
店舗開発部は、新店の出店数で評価をされます。
とにかく、新店を出さなければ評価されません。
既存店の売上前年比なんて、知らんこっちゃない、のです。
会社は、全社ベースの売上と利益と総店舗数で、銀行や株主や世間から評価されます。
ここで言う売上は、全店総売上と既存店前年売上です。
この二つが両立出来れば言う事ありませんが、昨今、既存店の売上げが厳しいときは、両立はなかなか苦しいのです。
会社目標は、経営者の直接指導で、両方の責任を取る形で進めているときは、まだ良いのです。
この二つの矛盾を、自分の中で処理出来るからです。
しかし、会社規模が大きくなり、営業部にも店舗開発部にも責任者を置くようになると、それぞれの責任者に目標と責任が求められます。
営業部は、
せっかく業績を伸ばしてきた既存店の近くに新店を作ったから、売上が下がった。
店舗開発部の契約した家賃が高すぎて、利益が出せない。
固定賃料で契約するから、売上が下がると利益が出ない。
変動家賃で契約するから、売上が伸びても利益が出せない。
こんな人が住んでいない所に店を作るから、アルバイト募集しても来ない。
こんな場所に作ったって、お客様は来ない。
・・・どうしてくれるんだ!
店舗開発部は、
全社で売上が増えるんだからどこに作っても良いだろう。
せっかく良い店を作ったのに、何だこのサービスは、、、だから売上が下がるんだ。
競合数社と争ってようやく獲得出来た物件だ。家賃が高くても何とかしろ。
お客様が来るんだから人がいないはずがない。
この場所は、家賃が安いんだ。ちょっと売上を上げればボロ儲けじゃあないか!
営業部が、もっと売上を伸ばしてくれたら、もっと高い家賃を払える。そうすれば獲得競争に勝てるんだ。
アルバイトの躾がなっていない!管理トラブルが起きれば、デベロッパーから怒られるのは店舗開発部なんだ!
・・・・どうしてくれるんだ!
お互いに、他責と自分軸で、不満のぶつけ合いが行われます。
経営者は、各部門に年間目標と権限を合わせて委譲しています。
だから企業は大きくなっていきます。
全部の細部を見ようとしている経営者は、必ず一定の規模で限界が生じます。
だから、権限委譲をします。
しかし、その目標は、お互いに足を引っ張る要素が含まれています。
では、どうしたらこれを解決できるのでしょうか?
世の中には、実際に、それを解決している企業があります。
この続きは、また次回!
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