先日、大阪在住の方から建築条件付の家を契約したけれど、間取りに満足出来ないので知恵を貸して欲しいと云う依頼がありました。
私は、監理まで手掛けないと納得の行く家が出来ないと考えていますので、引き受けるかどうか迷ったのですが、建築条件の付いている土地も多く、そこに関与しないと住宅の質は向上しないと思いなおし、お引き受けしました。
住宅は保守的な色合いの深い構造になっています。特に間取りは失敗が許されませんから、前例に従おうとします。ところが前例に倣えば倣うほど、今のライフスタイルと合わなくなります。
工務店から出されてきた間取りに、未だに独立した和室があるのに驚きました。ご家族4人で生活するのに来客用にに何故一番良い空間を占領されなければいけないのか。将来同居の可能性も無い訳ではありませんが、その可能性は非常に少なく、そうなった時に考えれば良い話しかと思います。
前例に倣うことから新しい発想は生まれるのですが、何を残し何を廃するかを常に考えていなければ今後数十年の使用に耐えることは出来ません。今最新と思える間取りでさえ数十年建てば陳腐なものになっているでしょう。この先の未来を見通す間取りでなければ今後の使用には耐えられません。
間取りだけのお手伝いになりますが、この様なご相談に応じますので、お気軽にご相談下さい。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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