- 磯部 茂
- 有限会社ペア・ファクトリー 代表取締役
- 神奈川県
- コピーライター
-
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Oh! モーレツ
その昔、小川ローザという素敵なモデルさんがいて
クルマが通り過ぎるとスカートがまくれ上がった。
軽快な音楽に乗って、Oh! モーレツ
となる。
このCMは60年代後半に大ヒットして、
それは幼少(?)の頃の私の記憶にも残っている。
商品は、ハイオクガソリン。
丸善石油のCMで、確か「ダッシュ」というハイオクを入れると、
クルマが格段に速くなる、というもの。
それがホントなのか否か、真偽の程は不明だが、
当時はそんな広告が多かったたように思う。
広告表現も途上だったが、このTVCMはインパクトがあった。
当時の日本は高度成長の真っ最中で、景気も年々良くなるばかり。
文字通り、どこのお父さん方の誰もが、猛烈に働いていた。
そこには明日への夢があり、よりよい未来が約束されていたように思う。
きっと現在の中国の景気に似ているのかも知れない。
当時のサラリーマンは、憧れの職業。
みんな自信に満ちていて、数多くの猛者サラリーマンが、
世界に繰り出していた。
そして、日本で売れそうなものを世界の果てまで探しに行って仕入れ、
また、日本の製品を地球の隅々にまで売りに行ったりしていた。
こうして後、この国は世界から、
「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれるまでに成長したのだ。
まさに日本の経済事態がモーレツに急伸していた時代だ。
「モーレツ」のコマーシャルは的を射ていた。
時代背景をも、的確に表現していたと言える。
私と同世代のサザンの桑田さんも、
このコマーシャルの印象が強かったらしく、
小川ローザの白いミニのワンピースとヘルメット姿がアタマから消えないとみえ、
茅ヶ崎の実在したホテルの思い出を歌った「ホテルパシフィック」で
当時の彼女と同じ格好の女性を登場させている。
これぞ、印象に残るモーレツなコマーシャル。
昔のテレビコマーシャルが如何に影響力があったかという、
典型的な例だ。
このコラムの執筆専門家
- 磯部 茂
- (神奈川県 / コピーライター)
- 有限会社ペア・ファクトリー 代表取締役
ひとの心に、化学反応を!
広告って心理学?…これホントです。謎を紐解く。広告作りは、ここに集約されると言ってもいいでしょう。売る仕掛け、アクションのスイッチ。このマーケティングの核を探ることは、人の心の広い海原を旅することと似ています…。
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