【聴心記「心の炎」】第16回 魂(4)・・・・課題の向こうにあるもの - 心の病気・カウンセリング - 専門家プロファイル

国府谷 明彦
カウンセリングセンター聴心館 聴心館館長
東京都
厚生労働省認定 産業カウンセラー

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:心の病気・カウンセリング

菅野 庸
菅野 庸
(院長・医師)
茅野 分
茅野 分
(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
斉藤ヒカル
斉藤ヒカル
(潜在意識セラピスト)
斉藤ヒカル
(潜在意識セラピスト)
快眠コーディネイター 力田 正明
(快眠コーディネイター)

閲覧数順 2024年04月19日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

【聴心記「心の炎」】第16回 魂(4)・・・・課題の向こうにあるもの

- good

  1. 心と体・医療健康
  2. 心の病気・カウンセリング
  3. 心の病気・カウンセリング
心の炎・散歩路


【聴心記「心の炎」】第16回 魂(4)・・・・課題の向こうにあるもの

 前回まで,魂と課題のお話をしてきました。ここまでのことを,ちょっと振り返ってみましょう。魂(1)・・・・「心と身体」では,「身体をもらって生まれてきたというのは,感覚を使って感じること,それによって感情を感じ,体験・経験を積んでいくことにほかならない」というお話。魂(2)・・・・「心と課題」では,「人生に苦痛や不安が多いのは,そこに人生の課題があるからである。そして,人生の課題を解いているときの感情の側面にばかり注目するから,苦しさや不安がクローズアップされてくる」ということでした。魂(3)・・・・「課題を知る」では,「最初にクリアすべき課題がある。それをクリアするのに,最適な環境を選んで我々は生まれてくる。さらに,性格や能力も,課題に最適なものを持って生まれてくる。そうした状況の中で,その人なりに育ち,価値観を育み,それが課題に取り組む最適な状況を作り出す」というお話でした。

 私たち人間は身体を持って生まれてくる。その身体によって,感覚・感情を感じ,体験・経験をする。それは,ひとつの人生的な課題に向かっての経験となる。私たちの身体や性格・能力はそうした課題に向けて,最適な状況を作り出す。こうしてみてくると,私たちは,「身体という着ぐるみ」を着て,課題に立ち向かっているという風に見えます。それぞれに,そこそこの能力を持っている。得意が有り,苦手がある。目や耳が不自由な人もいる。発達障碍を抱えている人もいる。天才的な才能を持っている人もいる。でも,それはすべて着ぐるみの話。

 ミッキーやドラえもんの着ぐるみもあれば,ウルトラマンやガンダムの着ぐるみのこともある。でも,着ぐるみの内側にいるのは,私たちそのもの。それが,魂と言うことではないでしょうか。魂には能力の差も障碍もない。純粋な天使のような魂がある。(天使と言っても,特定の宗教のことを言いたいのではありませんよ)。

 自分には能力がないと嘆いている人がいます。自分は他人から嫌われる性格と悩んでいる人がいます。容姿に自信がない人,不器用という人,要領が悪いと言う人,自信がないという人,いろいろな人がいます。でも,それはすべて着ぐるみについている属性です。あなたという魂,あなた自身ではないのです。着ぐるみの状態を見て,あなたを否定してはいけない。課題に向けて,周到に作られた着ぐるみなのですから,勘違いするのも無理はないのですが...それでも,あなたと着ぐるみは区別しましょう。

 身体という着ぐるみを着た私たちは,着ぐるみの外に向かって悪戦苦闘している。着ぐるみの中では,魂が汗をかきかき,課題に向かって頑張っているのです。これって,すばらしいと思いませんか? ごく普通に見れば,身体を伴った人達が毎日を生活していると言うことです。でも,見方を変えると,身体という着ぐるみを着た人達が,毎日の生活の中で,課題に立ち向かっていると言うことなのです。汗をかきかき,課題は苦しい。でも,立ち向かっている姿は,課題がクリアできたかできなかったかに関係なく,すばらしいと感じられませんか? 生きていることのすばらしさと言うことかもしれません。

 ヘレンケラーのような人の魂が,三重苦の身体という着ぐるみを通して,外の人達とコミュニケーションを取ろうとしている。完璧主義という性格の着ぐるみを着たうつ傾向の人が,会社でなんとか上手く仕事をこなそうとしている。過敏な性格という着ぐるみを着た人が,毎日の生活の中で,気になって仕方がないことと必死なって直面している。課題がクリアできてもできなくても,この厄介な着ぐるみと厄介な課題に立ち向かっていくことは,なにか大切な物を手にできるような気がします。

 課題を意識して立ち向かうこと,その課題がクリアできてもできなくても,その向こう側にあるのは,生きていることの大きな手応えではないでしょうか? 生きていることの意味がわからないという人がいます。毎日をなんとなく送っているだけという感じ。でも,着ぐるみと課題を意識するならば,平凡な毎日にも何かの意味が出てきます。もう一度,あなたの課題は何か,考えてみませんか?

  次回は,「魂」の話の5回目。ちょっと切り口を変えて行きます。「人間の進化と魂」というお話をしましょう。

【2012.6.27: 聴心記「心の炎」は不定期で展開します】

【お知らせ】 近々,新しいセミナを開催します。うつや不安,対人恐怖に悩む人,あるいは,自分の性格が気になる人に向けて,「自分の考え方・感じ方を変えるセミナ」を開催します。15名くらいの定員のセミナで,話を聴いたり,いろいろと実習してみるセミナです。全3回くらいのセミナで,ご自分と同じ悩みを抱える方と知り合いになれるようなものにしたいと思っています。「心の炎」の内容にも,触れるセミナにしたいと思います。 セミナに興味がある方いらっしゃいましたら,「興味あり」とメール下さい。どのくらいの希望があるか知りたいと思います。よろしくお願いします。

  メルアド: info@choushinkan.com

聴心館WEBサイト http://www.choushinkan.com/

■ご案内■・・・・現在コラム掲載中
【All About Profile】認知行動療法WEBセミナ
   http://profile.ne.jp/pf/kooya-choushinkan/ 
【facebook】精神医学WEBセミナ
      http://www.facebook.com/akihiko.kooya/
    http://www.facebook.com/choushinkan/
【Ameba】聴心記「心の炎」&メディカウンセリングWEBセミナ
    http://ameblo.jp/choushinkan/


このコラムに類似したコラム

【聴心記「心の炎」】第15回 魂(3)・・・・課題を知る 国府谷 明彦 - 厚生労働省認定 産業カウンセラー(2012/06/21 01:22)

《聴心館》【心の炎・散歩路 No.7】精神疾患のお話。 国府谷 明彦 - 厚生労働省認定 産業カウンセラー(2014/10/31 17:16)

性格・気質、脳・神経、遺伝子(6) 茅野 分 - 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医)(2007/08/13 00:00)

うつ病と病前性格(2) 茅野 分 - 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医)(2007/07/17 16:12)

うつ病の分類(4) 茅野 分 - 精神科医(精神保健指定医、精神科専門医)(2007/02/23 00:00)