木造住宅で完全に防音することは非常に難しいテーマです。遮音性能は物質の質量に関係している為です。
防音室を造ろうと思えば、分厚いコンクリートで床・壁・天井を覆ってしまうことです。そうすれば外に音は漏れません。
仮に真綿で床・壁・天井を覆っても殆ど音が小さくならず音が漏れてしまいます。
遮音性能を良くしようと思えば、重い物質で空間を構成する必要があるのです。防音室にグラスウールを壁の中に詰め込む人がいますが、これは殆ど意味がありません。
音を反響させない性能を吸音性能と云います。グラスウールは吸音性能に優れていますので、防音室の表面に張ることはありますが、これば防音の為ではりません。吸音の為です。
表面に張って初めて吸音効果を期待出来るのですから、壁の中にグラスウールを詰め込んでも意味の無い行為です。
木造住宅で防音室を作ろうと思えば、重たい物で部屋を包む事を考えます。プラスターボードはコンクリートに近い質量がありますので、プラスターボードを二重張りにしたりします。鉛板をサンドイッチしても効果は高まるでしょう。
出入り口にも鉛板を入れた建具が市販されています。あと、換気扇からも音は漏れます。大きな壁に穴を開けるタイプの換気扇は防音室には向きません。熱交換型の換気扇を取り付ける必要があります。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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