ヘッジファンドへの投資は儲かる? - お金と資産の運用全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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対象:お金と資産の運用

柴垣 和哉
(ファイナンシャルプランナー)

閲覧数順 2024年04月26日更新

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ヘッジファンドへの投資は儲かる?

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リーマンショック後の世界的な株安、円の高騰というダメージから、本年に入り漸く回復に向かう薄明かりが見えてきた時に、今回の欧州の債務問題で世界同時株安とさらなる円高で一般投資家の多くが損失を抱えてしまいました。

このような時期に、富裕層の海外脱出の特集などが組まれ、その記事の中でヘッジファンドが取り上げられることが多くなっています。皆さんは、ヘッジファンドと聞くと、儲かっている人たちとのイメージが浮かびませんか? また、景気が上昇しているときは勿論、下落時にもヘッジしているから儲かるのだろうと思われているのではないでしょうか。

確かに、ヘッジファンドの黎明期は、先物などでヘッジをかけたファンドが上昇・下落への対応としてヘッジをかけました。これがヘッジファンドの由来です。しかしながら、現在は、デリバティブなどの金融商品を扱い、ファンドがこの方法なら儲ける事が出来ると思った手法で投資に臨んでいますので、様々なテーマ、手法でリスクを取った運用を展開しています。

ただし、私はヘッジファンドで有っても運用成績が良い訳ではないと考えます。一般投資家には、コスト負担が大きいだけに、返って儲る人が少ないのではないかと思います。

何故ならば、全体のパイである世界全体のリターンは1つです、そのリターンをパッシブ運用の方達とアクティブ運用の方達で、分け合っています。
従い、アクティブ運用の人たちのリターン・トータルは、全体からパッシブ運用の方達のリターンを引いた残りで、アクティブ投資家全体のリターン平均は、パッシブ投資家全体のリターン平均と同じです。

そのアクティブ投資家の方達の中で、様々な機関投資家がパイを分け合っています。ヘッジファンドもその1つです。従って、確率的にも運用成績の良いヘッジファンドもあり、運用成績の悪いヘッジファンドも当然出てまいります。全がて良い運用成績であることは確率的にありえません。
ヘッジファンドの運用成績が見かけ上大きいのは、借入金の多さがあります。殆どのヘッジファンドは出資金だけでなく、運用のため借入をしてレバレッジを効かせています。それにより、出資金の10倍、20倍、50倍の資金運用が可能となり、狙いが当たった時には、出資資金に対する利益が大きくなります、が、狙いが外れると大きな損失を抱えてしまいます。

例えば、出資金が10億円、借入金が90億円の100億円の資金で運用をした場合、運用成績が借り入れコスト等を引いた利益が運用利回りが2%で有っても2億円になり、出資金に対する利益率は20%になり、これが宣伝文句に成ります。5%程のリターンが得られたら、出資金に対する利益率は50%になり、利益の20%を報酬として支払っても、4割の運用益が投資家に払いだし可能です。但し、運用が振るわず、コストを引いた後にマイナス2%の利回りの場合には、投資家は10%の損失、マイナス5%では、損失が5割になります。

このレバレッジを膨らませ過ぎたファンドがLTCM(Long Term Capital Management)w@
1998年の破綻は、国際金融の歴史の中でも前例を見出しがたい世界最大級の金融破綻事件であり、扱いを誤れば世界経済を破滅の底にたたき込みかねない事件でした。 ...

前回のリーマンショック時にも、多くのヘッジファンドが、資金の引き上げに対応できず、破綻しています。

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文責
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP(R)
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 
吉 野 充 巨
独立系顧問料制アドバイザーの紹介
http://profile.ne.jp/w/c-64005/
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