あばれるカサゴ 3月の料理基礎講座で - 料理教室 - 専門家プロファイル

塚本 有紀
フランス料理・製菓教室「アトリエ・イグレック」 主宰
大阪府
料理講師

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対象:料理・クッキング

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あばれるカサゴ 3月の料理基礎講座で

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3月15日(木)16日(金)
3月の料理基礎講座にて

フォワ・グラのポワレ、りんごのロティ添え、2色のバルサミコのソースで foie gras chaud et pomme rotie au beurre

フォワ・グラを焼き、りんごのロティ、アンディーヴと胡桃のサラダを積み上げます。

今回はランド産のフレッシュの鴨のフォワ・グラを使います。フォワfoieは肝臓、グラgrasは脂、つまりは脂肪肝といったところでしょうか。鴨やガチョウに強引にトウモロコシや粗い小麦を与えて肥大させた肝臓のことです。

古代ギリシャの時代から、人間はイチジクで飼育してきたのだそう。ラテン語のイチジクficusが、肝foieの語源になったのだと、玉村豊男さんの本で読んだことがあります(「グルメの食法」中央公論社)。

フレッシュのフォワ・グラは、上手に焼くとふわっ、とろっとクリーミーに焼き上がります。甘いのです。
甘みのあるフォワ・グラには、やはり甘みを沿わせます。りんご、バルサミコ、合わせるワインはソーテルヌSauterne
脂肪と糖分は、生存のために本能的に人間が求めるもの。この贅沢な組み合わせは、本能に訴えかけてくるおいしさということなのでしょう。

ソースはフォン・ド・ヴォーとバルサミコを煮詰めたものと、白バルサミコを煮詰めたものを添えました。
少し前に登場した白いバルサミコですが、じつは黒も白も同じ白ぶどうの品種から作るのだと聞き、ちょっとびっくりしました。黒い色は白ぶどう果汁を煮詰めた後、樽で熟成させることで生まれるのだとか。
もちろんイタリアのものですが、フランス料理でもよく使われます。


さて主菜は白身魚のジャガイモの鱗仕立てを作ります。
本当はヒメジrougetが欲しいのですが、日本では今までたったの1回しか見たことがありません。海沿いで消費されてしまうか、あるいはそのあたりの魚屋さんと契約しているフランス料理店に行ってしまうのでしょう。
ひめじは白身魚ですが、紫がかった赤い肌をした、美しい魚です。味も濃く、星付きのレストランでも頻繁に登場しますし、マルシェにもスーパーにも売られています。
しかしないものは、ない。

というわけで、かわりにイトヨリを使います。
木曜日は残念ながらいなかったので、ガシラ(かさご)を使いました。ところがフィレにおろし、じゃがいもの鱗を貼って焼くと・・・
当日のガシラの身は新鮮すぎて、身がぶりん!と反り、うろこが外れてしまったのです。
きれいに焼けなかった人が半数を超え、木曜日の生徒さんたちには大変申し訳ないことになってしまいました。ガシラの場合は少なくとも前日にフィレにおろしておくべきだったのです。
翌日は運良くイトヨリが見つかりました。こちらは同じく当日のものでも、ガシラに比べるとはるかに反る率が低く、きれいに焼けます。


いとよりのジャガイモの鱗仕立て、清美オレンジのソースで Itoyori en ecaille de pomme de terre crustillants

魚のおいしさとジャガイモのかりっとした食感に、オレンジの爽やかなソースがよく合います。

今ではすでに家庭料理の本にも登場しますが、たぶんもともとはリヨンのポール・ボキューズPaul Bocuseさんのお料理です。
学校で習った日、「なんて素敵なの! 私も日本でも作りたい!」と思い、すぐに道具屋さんにうろこの抜き型を買いに行きました(丸い筒)。道具屋さんをはしごして、ようやく見つけ出しました。翌日うれしくて学校でシェフに報告。
「うふふ、型、買いました。なかなか見つからなくて苦労しました」
「えっ、あれは日本で買ったものだよ」
えええぇぇ、そんなあ。たしかに私の買ったものは継ぎ目も荒く、大丈夫か?という代物。
シェフたちは仕事で日本に行くと、日本の優秀な道具をたくさん買い込んで帰るという話をよく聞いていましたが・・。もちろん日本で買い直しました。

続きはまた明日。

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