- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
2011年7月現在、銀行や証券会社から多くの外貨建て債券が販売されています。また、それらにあろうことか、当該債券の発行国の通貨以外の通貨で利子を支払う仕組みを付けたものが販売され、売り上げを伸ばしています。
必ず、損をするとは言えないものの、リスクの大きな商品であることは間違いありません。
大きく儲けることがあるけれども、損失が出てしまう事も在ることを理解してのご購入をお勧めします。
債券を購入する場合の、知識として、実質金利というメジャーと通貨同士の強弱(円安に為るのか円高に為るのか)があります。
金利についてですが、日本よりも金利が高い国の債券を購入した場合に、その金利は当該通貨で利子を払う事を保障しているだけです。日本の金利が0%で、当該通貨の金利が、5%で在った場合、5%が儲かるように感じるのですが、その状態は長続きせず、長期的には当該債券の価格が高くなり(金利は低下)するか、当該国の通貨に対して、円高が進み償還時には円での手取りが少なくなるという為替の調整によって利益が無くなります。
債券市場は、株式市場よりも大きく、それらを扱うプロが犇めいています。もし、リスクが無く、5%も儲かる状態であれば、プロは見逃しません。寄って集ってその債券を買い求めますから、債券価格はどんどん高くなり、金利が低下してしまいます。
もし、プロが買わないのであれば(その状態が続くのであれば、リスクが隠されているのだとお考えください)。最終の価格は額面から購入手数料等が引かれた価格まで値上がりいたします。
そのリスクの一つが当該債券の通貨のインフレ率です。
実質金利というメジャーがあります。この数式は
実質金利=名目金利(この場合5%)-予想インフレ率
です。
従って当該債券発行国のインフレ率が5%以上であれば、日本債券を購入した方が日本の方には有利です。ちなみに、日本の実質金利は本年1月には2%程度と試算されます。
実質金利については下記のコラムを参照ください
http://mbp-tokyo.com/officemyfp/column/2205
また、世界各国のインフレ率を知るには
http://ecodb.net/ranking/imf_pcpiepch.html
を参照ください。
セミナーやご相談は根拠の明示及び実証データをもとにご説明します。
毎月資産運用・ライフプランのセミナーを開催しています。
http://www.officemyfp.com/seminerannai.htm
文責
ファイナンシャル・プランナー
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー 吉 野 充 巨
このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。投資による損益はすべてご相談者及び読者ご自身に帰属いたします。
投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
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