- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
外国債券を購入される際には、コストという観点からの検討が必要です。
その中でも、為替手数料が大きな負担になります。購入の際に日本円で当該通貨を購入する必要があります。また償還時には当該通貨から日本円に戻す必要もあります。この往復の手数料が大きなものとなっています(証券会社等の利益です)。
為替手数料のほかに様々なコストが付加されていますが、一般投資家には購入価格に含まれているため、市場で購入する株式とは異なり、実際のコストは不透明です。ただ、為替手数料は購入前に各社のHP等で確認が出来ます。
例えば、A証券の外貨購入・売却のスプレッド(費用)は
米ドル ±0.25円、ユーロ±0.50円、豪ドル±0.70円、南アランド±0.30円、トルコリラは±2.5円もかかります。
2011.12.15の為替レートで測ると、豪ドルは往復で約0.9%にあたります。もし、前述のオーストラリア国債販売利回り4.824%を1年で売却した場合には、為替変動を除外しても、収益率は3.924%に低下してしまいます。
なお、高金利国の南アフリカのランドの場合には、往復で約4.98%にあたります。
一方、大手証券の上記費用は、取引金額が1,000万円未満で、ドルで±0.50円、ユーロ±0.75円、豪ドル±0.80円、英ポンド±1.0円、NZドル±1.0円と提示されています。この場合、ポンド建て債券を購入すると往復で約1.65%にあたります。
為替の変動リスクを考慮しなければ、途中利子が付いてきますので、長期保有がコスト的には有利です。
このように述べてまいりますと、現時点でのリターン(米国債等で2%程度)とリスク(米国債等先進国国債)を考えますと外国債券は保有をお勧めできないのですが、外国株式との相関はマイナス(株価か上がると債券価格は低下、株価が低下すると)になっています。
この点を考慮した、外国債券への資産配分をご検討ください。ちなみに私のマイファンドでは10%との配分としています。
文責
ファイナンシャル・プランナー
&投資アドバイザー 吉 野 充 巨
『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。投資による損益はすべて読者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
本コラムは、信頼できると判断した情報に基づき筆者が作成していますが、その情報の正確性若しくは信頼性について保証するものではありません。』
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