- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:新築工事・施工
こういった地中障害をあらかじめ見越すためには・・
近隣の調査の上で予測をたてて・・
地盤調査をしておく以外に手がありません。
まずいかも?
などと当初の近隣調査段階から予測が付く場合はボーリングなどの地盤調査も1本や2本ではなく、何本も何十本も行い確認をします。
数本ボーリングを行って終わる予定だったのに・・
そこに地中障害が出てボーリングが入らない・・
そんな場合は、基礎や杭の有る位置、全てでボーリングをします。
その上で・・
障害を取り除いた方がよいのか・・
あるいは障害を避けることが出来るのか・・
特殊な機械で杭を打った方がいいのか、どことどこがまずいのか・・
などの判断をします。
その上で、それをふまえて設計をします。
一般的な木造などの住宅など軽い建物などの場合は、そこまでする必要はありません・・
が・・
やはり基礎部などに浅く障害が出てしまうと対応が必要です。
一番問題なのは予測不可能な障害・・
今回も、当然地盤調査は何本も行っておりましたが・・
そこでは問題はありませんでした。
ようするに・・
たまたま、調査した位置が石のある位置とははずれていた。
で・・
杭の穴を掘り出してびっくり!
となったわけです。
敷地の中から出てきた巨石の地中障害!
浅いところ・・
地面から50cm程度の下に埋まっています。
今回は木造住宅の建築なのですが・・
それでも基礎が当たってしまうのです。
埋まっている直径が何メートルもあるような巨石の地中障害をいくつも撤去処分などしていたら、家を一軒建てるくらいのお金がかかってしまいますので・・
現実には不可能です。
いったい・・
いつ誰がこんな所に埋めたのでしょう?
わかりません。
が・・
実際そこにあるのです。
ただ、幸いにも敷地はそこそこに広い!
そこで、調査をして位置をきっちり出して・・
お客さんと相談の上で、建物の位置を変更することにしました。
簡単に言ってますが・・
場所は、そこそこの田舎で・・
たくさんの許認可が必要なところ・・
着工してからわかったことですので・・
許認可は確認申請までおりています。
全ての許認可がやり直し・・
変更確認申請ってなあ名前に変更が付いているだけで・・
なんのこたあない、もう一回申請するのとまったく同じです。
お金の問題ではないのです。
あ~あ・・
いやんなっちゃう!
過去にはこんな現場にあったこともあります。
場所は新興造成地の更地・・
建てるのは、そこそこ大きな鉄骨造の店舗・・
ボーリングをすると・・
あっという間に地中障害・・
そこで、杭を打つ予定の位置で全てボーリング・・
半分くらいが障害で入りません。
結局、基礎を掘る深さまでは支障がないので・・
特殊な杭打ち機を使ってガラを砕きながら杭を打つことになりました。
えらいお金がかかってしまいました。
しかし・・
なんじゃここは?
造成した業者も不動産屋も知らぬ存ぜぬの一点張りですが・・
だいたい想像はつきます。
だって、出てくるガラ、つまり埋まってたゴミはアスファルトの破片とかコンクリートの破片とか・・
そう・・
明らかに道路を解体した残骸なのです。
ここを再開発造成する時に前にあった道路を壊したゴミを全部埋めた。
間違い有りません。
ひどいと思いますか?
残念ながら・・
こういうのは、よくあることです。
元が道路なんですから、役所だって知ってるかも?
住宅を建てるための開発がされた造成地なんかに大きなビルや店舗なんかを建てようとすると・・
こうななることがあります。
住宅建てるのには支障ない所に埋めてあるから・・
です。
全部・・
産業廃棄物です。
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