- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 近江 清秀
- (税理士)
- 平 仁
- (税理士)
国際課税の分野では、国外にある財産等を日本の税務署が効果的に
調べることが出来るようにするための改正が図られています。
まず、税務行政執行共助条約等における徴収共助、つまり、
租税条約を締結している国の間では、お互いの税務署が協力して
税金を徴収できる仕組みを、日本の法律を改正するようです。
・相手国等から徴収共助の要請があった外国租税債権を徴収する場合、
国税徴収法の国税の優先権の規定を適用しないこと。
・相手国等の要請が納税者の権利救済の機会を確保しないものである場合、
共助を実施しないこと。
・相手国等に徴収共助又は保全共助の要請をした国税に関し、
消滅時効の中断等の特例等の規定の整備をすること。
等が挙げられていますが、平成25年7月1日からの適用とのこと。
また、国外財産調書制度を創設して、
日本に居住する者が、その年の12月31日において価額の合計額が
5000万円を超える国外財産を所有している場合には、当該財産の種類、
数量及び価額等を記載した国外財産調書の提出を義務化するようです。
国外財産調書の提出がある場合、申告漏れ等に係る所得税・相続税の
5%相当額を加算税額から減免する一方、提出がない場合には、
申告漏れ等に係る所得税の5%相当額を加算税額に加算するようです。
これは平成26年1月1日から適用されるようです。
実質的に支配・被支配関係にある者の間の利子を利用した租税回避の
防止規定は平成25年4月1日以後に開始する事業年度から適用とのこと。
国際課税分野では、手続法分野での改正が目立ちます。
フランスや韓国ですでに導入されている航空機連帯税をはじめとする
国際連帯税の導入については、「国際的な取組みの進展を踏まえ、
今後、真摯に検討を行」うこととされ、先送りされました。
国際課税分野は、専門家が少ない(国税庁国際課税課出身の方が
多いように思います)こともあって、改正の解説でもあまり重点を
おかれていないように思いますが、執行共助や国外財産調書制度は、
国際取引や国外財産を利用した租税回避が多発する現状を考えると、
課税の公平を図る意味で大きい改正かもしれませんね。
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