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対象:住宅資金・住宅ローン
- 伊藤 誠
- (ファイナンシャルプランナー)
- 伊藤 誠
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東日本大震災で家や車等の資産を失った人たちが、
新たに住宅ローン等を組む場合の、2重ローン回避の対策において、
政府は具体的にどのような対策を考えているのでしょうか。
1995年の阪神大震災のときは、国や地方公共団体が
基金を創設し、新たに住宅ローンを組む方に対して利息を
補填する等の対策が行なわれました。
しかし、今回の震災では、原発問題等も絡んでいることから、
自宅があった場所に戻ることすらできない方もたくさんいらっしゃいます。
こういう点では、阪神大震災のときとはかなり事情が異なります。
では、東日本大震災の被災者に対する2重ローン問題の対応策として
どのようなことが検討されているかをまとめておきます。
※東日本大震災 2重ローン問題への対応策(案)
◎主に個人への対応
・基金等を設立し、既存の住宅ローンの利子補填等を行なう
・新規ローン借り入れの無利子化(金利ゼロ)
・国による被災地(土地)の買取
・自己破産しなくても、一定の債務を軽減できる応急制度の制定
◎企業への対応
・モラトリアム法をベースにした制度内容の拡大
・復興ファンドを活用し、企業債務を株式交換により削減
さて、特に個人の被災者への対応については様々な意見があります。
日弁連は、銀行は被災者に対する債権放棄を行なうべきと主張しており、
同時に銀行の債権放棄の無税償却を認める措置をとり、
処理負担を軽減させるべきとしています。
全銀協は、住宅ローンの返済が残っている人に、借入残高等に応じて
国が返済の一部を助成する制度を作り、新たな借り入れについては、
住宅金融支援機構の制度を拡充し、長期間の元金返済猶予や、
無利子貸付などを行なうべきという見解を示しています。
さて、実際に国はどのように対策案をまとめるのでしょうか?
阪神大震災や新潟県中越地震のときは、借金の軽減措置等は
行なわれませんでした。
このようなことから、公平性をどのように確保していくかも課題です。
また、住宅ローン債務者は殆どが団体信用生命保険へ加入しています。
よって、震災により死亡した債務者と、そうでない債務者の方への
対応を、どのように棲み分けていくか等、課題は山積みです。
国による被災地域の国土買い上げについても、
対象地域の選定は、原発問題等を考慮しなければならないことは必至。
しかし、時間だけは刻々と過ぎて行きます。
何とか早く具体策を講じてほしいものです。
国は、菅総理への内閣不信任決議案提出が現実化してくる等、
相変わらず混迷が続いています。
一刻も早く、具体的な対策を発表してほしいと願うばかりです。
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