- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:税務・確定申告
- 平 仁
- (税理士)
消費税は、商品本体価格に消費税を転嫁する間接税なので、最終的に税を
負担するのは消費者ということになるのですが、実際に納税義務者として
税務署に消費税を納めるのは、販売をする事業者なんですね。
そのため、消費税は国民から預かった税金なんですよ、
という説明がなされることが多いですよね。
前回書いたように、だからこそ益税が許せないわけですね。
ところが、実際に消費税を納めるのは事業者ですから、預かったはずの
税金を事業資金として使ってしまい、いざ納付する段階で、お金がない
という事態を招いてしまう危険があるわけです。
本来、消費税は、商品価格に上乗せされて販売されているわけですから、
手元にお金が残るはずなのですが、今のようなデフレ局面では、
商品が売れませんから、値引きして販売することが多くなるんですね。
そのため、商品価格に上乗せして販売価格が決定されるべきところ、
消費税分の上乗せを反映できないケースが増えてくるわけです。
しかし、消費税法は、販売価格の5/105は消費税分として国に
納めなさいよ、と規定していますから、消費税分の上乗せを販売価格に
反映できない場合には、もうけが減ることになるんですね。
そうすると、例えば、利益率5%で売っている商品だったとすると、消費税を
販売価格に上乗せできないとすると、利益ゼロになってしまうわけですね。
いわゆる“消費税還元セール”では、「消費税は頂きません!」という
キャッチコピーがよく使われていたと思いますが、不当表示なんですね。
消費税相当の5%を値引きして販売したとしても、販売価格の5/105は
消費税なんですから、販売店が消費税の課税事業者である限り、
消費税をとらないことは、消費税法上ではありえないことなんです。
もし消費税を頂かないことが許されている事業者であるとすると、
その事業者は免税事業者になるのですから、そもそも消費税を預かることが
許されていないんです。もしそういう事業者が消費税分を販売価格に
上乗せしているならば、便乗値上げ以外の何物でもありませんね。
このコラムに類似したコラム
消費税ってどんな税?(8、酒税にも消費税が!?) 平 仁 - 税理士(2011/05/06 18:20)
実は申告義務があるんですけどね 高橋 昌也 - 税理士(2013/06/17 07:00)
年内までにやっておきたいこと 高橋 昌也 - 税理士(2012/12/22 01:00)
意図を簡単に知っておこう 高橋 昌也 - 税理士(2012/03/20 01:00)
消費税ってどんな税?(6、益税って何?) 平 仁 - 税理士(2011/05/04 08:00)