(続き)・・そのため肥満や糖尿病など生活習慣病の防止の意味からも、ウォーキングなどの有酸素運動を中心に行なうとよいでしょう。有酸素運動では体温が向上し、体内の余分な水分を排出する効果も望めます。ただ有酸素運動は30分以上は続けなければ、脂肪燃焼効果が充分に得られないとされているため、思ったほど効果がなかったという失望の声もよく聞かれます。
そこで無酸素運動も併用することがより有効です。有酸素運動の前にダンベル運動などの無酸素運動を行なうことにより、脳下垂体から成長ホルモンが分泌されて、脂肪燃焼効率が約3.5倍に上昇するなど運動効果がより向上します。また無酸素運動を習慣化することにより筋肉量が増えれば、体温と腎機能がより向上するなど、相乗効果が見込まれます。
日常的に簡単にできる無酸素運動の一つとしてスクワットが挙げられます。これは直立した姿勢から両膝を曲げて半分しゃがんだ姿勢になり、続いて元の直立の姿勢に戻る、という動作を繰り返す運動で、大腿部や臀部などの筋肉が鍛えられます。これをゆっくりと5~10回繰り返し、その後ウォーキングなどの有酸素運動をすると、下半身を中心とした筋肉が幅広く鍛えられます。
この無酸素運動の効果をさらに高めるためには、できるだけ「ゆっくり」行なうことが勧められます。スクワットの場合、膝の曲げ伸ばしの運動を1分くらい時間をかけて行なうのです。そうすると筋肉内に乳酸が溜まることによって下垂体からより多量に成長ホルモンが分泌され、筋肉の鍛錬効果と脂肪燃焼効果がより向上することが証明されています。
以上のような暖房、食事、入浴、それに運動などの取り組みに工夫を凝らすことによって、充分に寒く乾燥した冬を乗り切ることが可能となります。そのようにして健康に元気に過ごす冬は、決して暗く寒々しい季節などではなく、まさに白雪のように輝かしい季節にもり得ます。冬を健康に過ごせるかどうかは、春を楽しく迎えられるかどうかにも影響するのです。
このコラムの執筆専門家

- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
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病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。
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