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茅野 分
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市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月19日更新

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もう怖くない!?目から鱗の新型インフル対策マニュアル(3)

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  1. 心と体・医療健康
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(続き)・・インフルエンザにちなんでよく挙げられる用語に、昨年来よく話題にのぼる「H1N1」とか「H3N2」とかいうタイプ分けがあります。ウイルスを電子顕微鏡で拡大して観察すると、表面に無数の小さな突起があることに気付きます。主な突起には2種類あり、一つはヘマグルチニン、もう一つはノイラミニダーゼといいます。一般には前者の頭文字をとって「H」、後者の頭文字をとって「N」と呼称しています。
 
ウイルスというものは小さ過ぎて、自力で動くことができません。人体内では体液の流れに乗って細胞から細胞へと渡り歩きます。細胞に侵入する際、細胞膜に付着する役割りをもつものが「H」、一方で細胞から出ていく際、細胞膜を自分から切り離す役割りをもつものが「N」です。つまり細胞から出たり入ったりする際、一種のカギの役割りを果たしているのがHでありNなのです。
 
HやNを構成するたんぱく質の設計図となる遺伝子は、A型インフルエンザの場合とても変異しやすくなっています。遺伝子が変異すると、それを鋳型に作られた突起のたんぱく質に構造変化が生じます。そうすると、その突起を標的として作られた抗体が、構造変化したたんぱく質を認識できず、排除することができなくなります。インフルエンザにワクチンが効かなくなるという現象は、そこから生じるのです。
 
基本的にHには16種類、Nには9種類の亜型があり、組み合わせとして16×9=144種類のタイプ分けが可能です。ただ実際に人間に感染し得るウイルス亜型は限られており、Hは1、2、3、Nは1、2などが知られています。一方で鳥インフルエンザでは、Hの5や7など多数のタイプが加わります。昨年来の「新型」はソ連風邪と同様にH1N1,アジア風邪はH2N2、香港風邪はH3N2です。
 
上記の「新型」とソ連風邪とは同じH1N1ですが、遺伝子の塩基配列は微妙に異なっています。従ってソ連風邪に対する抗体を持っている人でも、「新型」には効果が薄いと考えられます。インフルエンザウイルスに於いては、このような変化が毎年のように連続的に発生しているため、ワクチンの効果は長くとも1年以内で、毎年のようにワクチンを打ち直さなければいけないという事情となっているのです。
 
そのような「マイナーチェンジ」に留まらず、ウイルスは20~40年に1回程度の周期で「フルモデルチェンジ」を繰り返すので厄介です。つまり人間だけでなく、豚や鳥などで流行っているウイルスとの間で一種の「かけ合わせ」が生じ、全く新しいタイプのインフルエンザが登場します。前出のスペイン風邪を始めとする「新型」ウイルスが相当します。こうなると過去の感染による免疫は、殆んど役に立ちません。
 
ウイルスにこのような大変化が発生すると、殆んど全ての人が新型ウイルスに免疫を持っておらず、しかも既存のワクチンが奏功しません。従って次々と感染が拡がり、特に現代のような人の移動の激しい社会では、あっという間に世界中に感染が拡大してしまいます。いわゆる「パンデミック(世界的流行)」と言われる状態です。過去の新型ウイルスでも、大なり小なりパンデミックに見舞われました。
 
昨年来の「新型」を例に挙げると、通常の「季節性」インフルエンザに対するワクチンとは別に、「新型」に対するワクチンが大急ぎで作られ、足りないといって外国から輸入する騒ぎになったことは記憶に新しいものです。つまり「季節性」に対するワクチンが「新型」には効き目がない、という現実からそのような対処になったのです。実際には、この2つのワクチンともに打った、という人も多いことでしょう・・(続く)

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