今回ご説明する水平構面の検討は建築基準法にはありません。住宅性能表示制度のみの検討項目です。
大体において建物は縦と横の壁に囲まれています。地震が縦方向又は横方向から来た場合は、素直に耐力壁が働いてくれますが、地震がどちらの方向から来るかなんて、全く判りません。斜め方向から来る場合も充分あります。その時地震力の流れはどうなるのでしょう?
斜めから地震が来た場合、理論上は縦方向・横方向に分散され、それぞれの耐力壁が地震力を負担する事になります。縦・横両方の耐力壁で支える訳ですから一見、より安全な様に思います。
但し、これには条件があります。床面が頑丈である事が要求されるのです。
仮に床面が限りなく弱い建物を想定してみましょう。いくら耐力壁が沢山設けられていても、四角いハズの家が菱形に変形してしまうのが容易に想像できると思います。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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