軽い躁うつ病(1) - 心の病気・カウンセリング - 専門家プロファイル

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閲覧数順 2024年12月10日更新

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前回は躁うつ病(双極性障害)についてご紹介しました。抑うつ状態のみでなく、躁状態と言われる、元気の良い、調子の高い状態も生ずる病気でした。この状態は本人にとって心地よく、病気であるという自覚(「病識」と呼びます)を伴わないことが多いものです。周囲も元気ならば病気とは言えないのかと見過ごしてしまいます。しかしこの躁状態は時に攻撃的になったり、誇大的になったりして、トラブルを引き起こします。また気持ちが大きくなり、無理な仕事を引き受けたり、高価な買物をしたりして、後で悔むこともあります。この結果、躁状態の時の言動が、その後の抑うつ状態を引き起こすことになるのです。

最近、厚生労働省や日本医師会をはじめとした諸機関の活動により、うつ病・うつ状態は大分、一般的になってきましたが、反面、躁うつ病・躁状態についてはまだまだ理解が得られていないようです。このため問題となるのは、内科や心療内科でも安易に抗うつ薬が処方され、その結果、薬剤性の躁状態が生じてしまうことです。上機嫌の軽い躁状態ならば未だ良いのですが、不機嫌になったり、攻撃的になったりする混合状態のような状態を呈すると周囲も対応に苦慮します。更にSSRIによる activation synderome と呼ばれる易刺激的な状態やベンゾジアゼピン系の抗不安薬による脱抑制が生じると、ますます混迷を深めてしまいます。本来このような時は速やかに抗うつ薬や抗不安薬を中止して、気分安定薬 mood sitabilizerや抗精神病薬へ切り替えるべきなのですが、精神科の専門医師でないとそこまでの判断はできません。つきましては、うつ病のみならず、躁うつ病の啓発・教育活動も行われ、精神科との医療連携が向上することを期待する次第です。

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