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日経記事;『ソニーのAI、プロゲーマー破る 瞬時の判断力磨く、産業用途に応用も』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

2月10日付の日経新聞に、『ソニーのAI、プロゲーマー破る 瞬時の判断力磨く、産業用途に応用も』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『ソニーグループは操作が複雑なゲームで、人間に勝つことができる人工知能(AI)を開発した。瞬時に多数の選択肢から意思決定し続けなければいけない自動車レースゲームで、AI自身が対戦を繰り返して実力を上げる仕組みを独自に構築した。ゲームだけでなくロボット開発にも応用できるとみて、研究を進める。。。』

 

ソニーのAIと、カーレースゲーム「グランツーリスモ」のプロゲーマーとの戦いについては、下記Webサイトにその概要が掲載されています。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2202/10/news077.html

 

ソニーは、2月10日に「深層強化学習でグランツーリスモのチャンピオンドライバーを凌駕する」という論文が、同日付で英科学誌Natureに掲載されたと発表しました。

 

ソニーが活用したAIは、深層学習;ディープラーニングです。

 

AI(人工知能)という総称には大きく二つの事項が含まれます。AIという言葉は、バズワード化しています。AIは、未来的な、かつ映画に出てくるような、人間らしい知能的な処理技術をもっているロボットなどを連想させます。

 

現在、科学技術やビジネスの分野で使われているAIは、機械学習や深層学習になり、上記のバズワード化したものとは、一線を画します。

 

私は、AIに対する専門的な知識をもっていません。私の理解では、機械学習はデータから何らかの規則や判断基準を学習して、その結果に基づいて未知のものを予測・判断する技術です。

 

深層学習は、機械学習の一つであり、ニューラルネットワークという分析手法を拡張して、高精度の分析や活用を行うやり方になります。

 

ここで使いますAIは、機械学習や深層学習になります。ソニーは、深層学習により、カーレースゲーム「グランツーリスモ」で、プロゲーマーとの競争に勝ったとのことです。

 

深層学習の応用で有名なのは、グーグルの子会社であるディープマインドが開発しましたアルファ碁です。

 

アルファ碁は、2017年に碁の世界チャンピオンと勝負して勝ちました。本日の記事にありますように、アルファ碁の場合は、自らの手番を絞り込んでいく静的なものになります。

 

対して、ソニーが開発したレースAI「グランツーリスモ・ソフィー」は、瞬時に多数の選択肢からベストなものを継続して行う、動的なやり方になります。しかも、ソフィーは、単に勝つのではなく、競争相手に対してレースマナーを保持して対処することを、複数回の学習を行って獲得しました。

 

明らかに、ソニーのAI「グランツーリスモ・ソフィー」の方が、当時のアルファ碁より難易度が高いと考えます。

 

ソニーは、ソフィーで得られた知見を、ゲームソフト開発や、ソニーが市場導入する可能性のある、自動運転機能付EVに応用することが想定できます。

 

一方、そのグーグルは、2021年11月05日にディープマインドのAIを活用して、創薬事業を手掛ける新会社「Isomorphic Labs」を設立すると発表しました。

 

日本では、機械学習や深層学習を利用して、さまざまなAIベンチャー・中小企業が事業展開しています。Preferred Networks(PFN)やプレイド(PLAID, Inc.)など多くの企業が事業化しています。

 

今後、機械学習や深層学習を利用した新規事業の立上・機会獲得が進むとみており、ソニーやAIベンチャー・中小企業などの動向に注目していきます。

 

機械学習や深層学習の応用は、今後の社会インフラや、個人の生活様式、企業活動、事業展開のやり方など大きな範囲に影響を与えることによります。

今まで、日本のインターネット・IT・AIなどの技術は、グーグル、アップル、アマゾン、マイクロソフトなどの米大手IT企業に牛耳られてきましたが、AIの機械学習や深層学習のスキルアップで、日本発のソフトウェアやサービスが数多く事業化されることを大いに期待します。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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