- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
日経記事;『ホンダ早期退職が映すEVの波 崩れる産業ピラミッド』に関する考察
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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
8月6日付の日経新聞に、『ホンダ早期退職が映すEVの波 崩れる産業ピラミッド』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『ホンダが電気自動車(EV)への移行を見据えて2000人超の社員を早期退職で減らす。EVシフトでは複雑な加工が必要となるエンジンなどが不要になって部品数が半減する。国内の車部品メーカーで働く約70万人のうち、1割の雇用がなくなるとの試算もある。日本の製造業出荷額の2割を占める基幹産業に「脱炭素」の大波が構造変化を迫る。。。』
ホンダが55歳以上の社員を対象に募った結果、早期退職に2000人超が応募したとのことです。この人数は、国内正社員の約5%に当たります。
ホンダは、以前、ガソリンエンジン車のレースの中で最高峰と言われるF1レースに積極的に参戦して、チャンピオン企業になったことがあります。
第二次世界大戦後の国内メーカーとして、ホンダはソニーと並んで技術オリエンテッドな企業の代表例でした。
ソニーは、以前、テレビやオーディオなどのアナログ技術では、世界一のノウハウ蓄積を行っており、トリニトロンカラーテレビやウオークマンなどの世界ヒット商品を数多く生み出してきました。
このソニーは、マイクロソフトやアップルなどの米大手IT企業がAV家電機器市場に参入して、急速な既存事業基盤を急速に破壊・再構築を行う中で、既存商品の競争力をあっという間に失ってしまいました。
その後、ソニーは約10年以上の長期間、集中と選択作業を行って大幅な赤字に直面してきました。
ソニーが復活したのは、経営者が刷新され、家電メーカーではなく、エレクトロニクス、センサーデバイス、ゲーム、音楽や映画のコンテンツ配信など、幅広い分野でビジネスを行う企業に脱皮したことで達成できました。
ソニーが長期間集中と選択作業を行っている間に、多くのアナログエンジニアがソニーから去りました。
本日の記事にありますホンダも、ソニーと同じように、ガソリンエンジン車から非ガソリン車メーカーへの脱皮を決断しました。
ホンダが選んだのが、電気自動車(EV)です。EVは、電池を搭載してモーターにより、車輪を動かします。
EVの部品点数は、ガソリンエンジン車に比べて大幅に減少するとともに、使用される部品も異なります。
当然のごとく、ガソリンエンジン車とEVのノウハウは、異なります。ソニーのアナログ技術のように、ホンダのガソリンエンジン車に関する技術やノウハウは、基本的に不要となります。
EVは、少々荒っぽい言い方をしますと、自動車専業メーカーでなくても、電池やモーターなどの主要部品を確保できれば、どの企業でも開発・実用化できます。
一般的にEVへの参入障壁は低いです。
EVのメーカーは、テスラモーターズを含めた既存の自動車企業だけでなく、グーグルやアップルなどの米大手IT企業も加わることになります。
これらの米大手IT企業は、EVをパソコンやスマートフォンなどの電子端末機器と同じように、水平分業方式によるオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)により、開発・実用化します。
また、EVは例外なく自動運転機能を付加して、差別化・差異化を図ります。例えば、米大手IT企業は、人工知能(AI)搭載やIoT対応を得意なソフトウェアやアルゴリズムの開発・実用化で行い、差別化・差異化を実現します。
現時点では、ホンダが計画しているEVの開発・実用化のやり方や、収益を確保するためのビジネスモデルは、明確になっていません。
トヨタは、EVなどの環境対応車や自動運転車の開発・実用化を見据えて、数年前から多額の投資を行い、EVや水素燃料電池車などの開発・実用化を進めています。また、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)も積極的に行っています。
このような事業環境下で、ホンダがEV専業メーカーとして、どのようなやり方でビジネスを行っていくのか注目していきます。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
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