日経記事;『米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

826日付の日経新聞に、『米カリフォルニア州、2035年にハイブリッド車も販売禁止』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『米カリフォルニア州の環境当局は25日、2035年にガソリンのみで駆動する新車の販売を全面禁止する新たな規制案を決定した。2635年にかけて段階的に電気自動車(EV)などの販売比率を高めるよう各自動車メーカーに義務付ける。州内の新車販売の10%強を占めるハイブリッド車(HV)も35年以降は販売禁止とする。HVを得意とする日本車メーカーは戦略変更を迫られる。。。』

 

本日の記事は、米国カリフォルニア州で、ZEVZero Emission Vehicle)の導入計画案が公式に決まったことについて書いています。

 

多分、米国のニューヨーク州などの環境先進地域なども、順次同様のZEV規制案を公式に決めることになります。

 

カリフォルニア州のZEVの定義は、二酸化炭素の排出がほぼゼロの自動車を意味し、具体的には、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、電池のみで80キロメートル以上の走行が可能なプラグインハイブリッド車(PHV)になります。

 

ZEVに入らないのは、ガソリン車、ハイブリッド車(HV)、電池のみの走行距離が80キロメートル未満のPHVです。

 

自動車メーカーは、カリフォルニア州で自動車を販売するためには、ZEVの販売比率を2026年式35%2030年式68%2035年式は100%の比率で伸ばす必要があります。

 

今年は2022年ですので、国内自動車メーカーは米国市場で環境対応車を売るには、この規制に合致させるように、新規自動車の開発・実用化を進める必要があります。

 

この米国市場の環境先進地域の動きは、欧州市場でも同じです。欧州の場合は、現時点では短期的にEVの開発・実用化に投資が集中しています。

 

ホンダが、新規自動車の開発・実用化を、EVFCVに集中して行う方針を決めた理由がここにあります。

 

先日のブログ・コラムで書きましたように、今までガソリンエンジン車を主体に自動車を開発してきたフォード、GM、ホンダなどの自動車メーカーにとっては、EVFCVPHVの異なる方式の自動車の開発・実用化を行うことは、ハードルが高くなります。

 

しかも、EVについては、テスラモーターズや中国のEVメーカーが、すでに市場で販売しています。

 

テスラモーターズは、EVの先駆者として米欧市場で評価されています。

 

私は、ここ数年間はEVZEVの主役になると考えています。これは、FCVの普及には、水素ステーションの社会インフラ整備が必要なことによります。

 

FCVに比べて、EV対応の電気スタンドは、より容易に設置できますし、家庭でも充電が可能です。

 

また、自動運機能付自動車のニーズも、ZEVと並行して高まります。EVの場合、今までブログ・コラムで述べていますように、グーグルやアップルなどの非自動車企業も容易に参入できます。

 

自動運転機能付EVの開発・実用化を進めるには、これらのIT企業の方が、人工知能(AI)・IoT対応や、ソフトウェアやアルゴリズムの開発・実用化の面で有利であることは確実です。

 

多くの自動車メーカーは、自動運転機能付EVの開発・実用化を進める上で、IT企業などとオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を組んでいます。

 

国内自動車メーカーは、今後の数年間で、自動運転機能付EVの開発・実用化を行わないと、米欧市場から撤退せざるを得ない状況に陥る可能性やリスクがあります。

 

国内自動車メーカーは、HVの開発・実用化が得意です。このHV技術を発展させて、電池のみで80キロメートル以上の走行が可能なPHVを主力自動車にするやり方は、考えられます。

 

このPHVの課題は、EVと比べてコスト競争力をもてるかどうか、ガソリンエンジン車の需要が減ると、ガソリンステーションの設置場所が少なくなるリスクなどが考えられます。

 

今の自動車業界は、数年前から100年に1度の大変革期にあると言われています。

 

この状況下、国内自動車メーカーは、より一層の集中と選択作業を行いながら、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を積極的に行って、競争力のあるEVや自動運転機能付EVの開発・実用化を行う必要があります。

 

今後のトヨタ、日産、ホンダの動きに注目していきます。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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