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日経記事;『グーグル、トヨタを逆転 自動運転の特許競争力1位 車の主戦場、AIに』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月13日付の日経新聞に、『グーグル、トヨタを逆転 自動運転の特許競争力1位 車の主戦場、AIに』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。
当該記事の抜粋(冒頭部分)は、以下の通りです。

『米グーグルが自動車の自動運転に関する特許競争力でトヨタ自動車などを逆転し、首位となったことが分かった。決め手になったのが自動運転車の「頭脳」を担う人工知能(AI)だ。自動車はデータを解析しながら走る製品へと変貌し、メーカー各社の競争の焦点も燃費向上や生産効率からデータの活用技術へと移る。大量の情報を競争力に変える「データエコノミー」の到来はハード重視で来た日本車各社を追い詰め始めた。。。』

この記事のポイントは、自動運転機能の開発・実用化を行う上で必要になるソフトウェアの部分が、人工知能(AI)の活用を含めて、グーグルにおさえられつつあることです。

自動運転車には、一般的に下記のレベルが定義されています。(国土交通省のWebサイトから引用しています。)
1.レベル1:自動ブレーキなどの運転支援
2.レベル2:特定条件下での自動運転機能(レベル1の組み合わせ)
【例】 高速道路での自動運転モード機能
①遅いクルマがいれば自動で追い越す
②高速道路の分合流を自動で行う
3.レベル3:条件付自動運転
システムが全ての運転タスクを実施するが、システムの介入要求などに対してドライバーが適切に対応することが必要
4.レベル4:特定条件下における完全自動運転
特定条件下においてシステムが全ての運転タスクを実施
5.レベル5:完全自動運転
常にシステムが全ての運転タスクを実施

このうち、グーグルが抑えつつある特許は、AIをフル活用したレベル3以上の部分に集中しています。

記事によると、先端特許報告書「国際サーチリポート」での引用回数が、グーグルは累計769回と、トヨタの1.6倍に相当しているとのことです。

引用回数が多いほど、特許の審査官が、類似特許の可否を審査するときに、大元の特許として認知される可能性が高く、後発企業が出願する特許が認められなくなります。

グーグルは、自動運転車のレベル3以上の頭脳部分に集中して、特許化していることになります。

グーグルは、自社の強みをレベル3以上の自動運転機能の開発・実用化を行う上で必要な、AIを含むソフトウェアとしています。

自動運転車は、言わば、動く電子端末機器です。ハードウェア部分は、自動車メーカーが、今までの長い自動車産業の中で、数多くのノウハウ蓄積を行っています。

グーグルは、ハードウェア部分をオープンイノベーションのやり方で獲得して、自動運転車の頭脳を自社のソフトウェアを活用して、差別化・差異化を図ろうとしています。

グーグルは、このような差別化・差異化を行っていきますが、自社を自動車メーカーとする経営意図はもっていません。

グーグルにとっては、自動車は動く電子端末機器であり、スマートフォンの最大シェアをもつOSであるアンドロイドをプラットフォームで提供しているように、自動運転車分野でソフトウェア部分のプラットフォーマーになることです。

グーグルは、自動運転車のプラットフォームをおさえて、自社の検索エンジン活用やインターネットの情報閲覧などを自動運転車の中で使ってもらうことで、更なるインターネット広告宣伝収入を増やそうとしています。

米アップルや米アマゾンなどの他の大手IT企業も、自動運転車の頭脳部分のプラットフォーマーになるために、関連するソフトウェア開発をAIを含めて急ピッチで行っています。

これに対して、トヨタなどの国内自動車メーカーは、自動車本体の販売に注力するビジネスモデルを前提条件として、自動運転車の開発・実用化を行っています。

レベル4やレベル5の自動運転車は、人が運転することに注力する必要がありません。

当然のごとく、人がレベル4以上の自動運転車に求めることは、A地点からB地点まで、負荷なしに移動することであり、移動時間中には、本を読む、映画を見る、音楽を聴く、ゲームを楽しむなどことになります。

完全自動運転化が実現すると、基本的には交通事故が激減して、高速道路などでの渋滞も発生しないことになります。

自動運転車のハードウェア部分に求められるのは、A地点からB地点まで移動できれば良いのです。

このような状況下では、バスやタクシーの役割も変わりますし、自動車を所有する概念から、自動車を必要なときだけ、利用するカーシェアリングのような考え方が主流になる可能性があります。

当然のごとく、トヨタなどの国内自動車メーカーは、そう遠くない将来、既存の自動車事業のビジネスモデルの急変化を予想しているとみています。

トヨタやホンダは、米シリコンバレーに大型のIT研究開発拠点を作り、PFNなどの国内AIベンチャーに大型出資などを行って、備えています。

今後、トヨタなどの国内自動車メーカーが、自動運転車の開発・実用化と、変化する事業環境下で、どのようなビジネスモデルを打ち出してくるのか、注目していきます。

AIの開発・実用化は、当初予想よりも早いスピードで進化しています。急激な事業環境変化が、そう遠くない将来に起こるとみています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


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