
- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- クリティカルシンキング/バイリンガル教育
パンデミック禍の教育不全にカナダの親が騒いでいます。(CBC)
パンデミック禍ではほとんどまともな教育がなされていない!
子供が何も学んでいない!
いっそ、同じ学年を繰り返してほしい!
と。
高校留学生の親のみなさん。
同じことをカナダ政府に訴えたいですか?
それとも、とにかくカナダにいることが出来ればそれで満足ですか?
カナダの高校生は無料、留学生は年間150万近い異常な授業料を払い子供を通わせている高校での教育不全。
もしかして、沈黙したまま、質問も文句もなしで子供の高校教育が失われていくのを見物していますか。
カナダの高校側は親たちにこう呼びかけています。
「子供の成績、理解度などについて心配のある親はいつでも教師と連絡を取り、学区の責任者たちと話すことが可能です。 パンデミックであろうが、普段の環境であろうが関係ありません。 いつでも声をかけて下さい。」
高校留学生の親のみなさん、留学先の先生たち、学区の責任者たちとの面識はありますか?
親の存在感がある生徒への学校の対応は、全く別物であることも認識しておいて下さい。
エージェントはそんな代わりはしてくれませんよ。
エージェントにおんぶにだっこしている親は「英語の出来ないおとなしい親」と、後回しにされてしまうか、存在すら認識されていない学区が多いです。
自分が動くこと、それしか留学中の子供の教育を守ることは出来ないです。
日本の学校でも親の存在は非常に必要ですよね。
カナダの親、そして教育の専門家たちの声です。
実はこのパンデミックで、学力が伸びた高校生もいます。 もともとの学力が高く、クリティカルシンキング思考能力も理解していた高校生たちは、全員一斉の対面授業ではなく、個々のペースで進めるオンライン授業から大きな恩恵を受けたようです。
自分の能力を自分のペースで伸ばすことが可能だったからです。
しかし、遅れていった高校生たちとの差は衝撃的なほど大きくなりました。
出来る高校生と、出来ない高校生とのGapを埋める体制がパンデミック後の高校では絶対必要!と専門家が声をあげる理由です。
日本人高校留学生は、残念ながらパンデミック恩恵で学力を伸ばした中には入りません。
遅れていった高校生の仲間入りというより、何もわからないまま流されて結局「何も学ばない毎日」を過ごして来たと思いです。
特に、英語を母国語とせず、クリティカルシンキングも、エッセイ基本もなしで留学した日本人には、パンデミック禍ではしょられてしまった学校教育は悲惨な結果を生んでいるようです。
「何も学べていない。」この一言です。
カナダの高校は、パンデミックが落ち着いた後、多様な方法を用い遮断された高校教育の立て直しをするそうです。
「2020年春から、高校生たちは何も学べていないから」と。
先日のコラムでは、指導不可なパンデミックの高校で横行する成績の嵩上げについて書きました。
「カナダ高校留学-州試験なしの大学進学を喜ぶのはちょっと待って」
「カナダ高校卒業成績インチキ嵩上げ横行- 今後大学落第者急増か」
何も学習してないのにとりあえずパスさせてもらった単位、喜びますか?
カナダの教育は、日本と同じく学年が上がるごとにレベルが上がるシステムです。
例えば、Grade10で学んだことを基にしGrade11のコースが組み立てられ、Grade11のコースが理解出来ていなければGrade12はちんぷんかんぷんというシステムです。
Grade11でももちろん何も理解出来ず、またお情け成績でGrade12 のコースを取る留学生。
「何も学べてない」空白の高校3年間が生まれてしまいました。
空白の高校教育を立て直すためにこんな提案がなされています。
カリキュラム改変を伴うものです。
・Grade1からGrade12までのすべての生徒が基本スキルを確実に学習することを教科したカリキュラムにする。
・学習の遅れた生徒には補習、治癒教育も強化する。
・学習内容が理解出来ない生徒には初歩的なスキルを指導し、Mental Health面でも補佐する。
・各個人の生徒に合わせた補助を行う。
・特に家庭でのサポートが難しい生徒に対しては学校が授業外サポートも行う。
これら提案には、留学生のことは全く含まれていません。
留学生のケアどころじゃない!というか、完全に忘れられているようです。
これらを実践するには多額の予算が必要となるので先行きは不明とのこと。
「Covid-19は全員のワクチン接種が終われば、またはかなりの人口が接種終了すれば終わるが、この影響により壊れた教育は取り戻すことが出来ない。
惨憺たる教育の結果は、パンデミック終息後も長い間残るだろう。
それへの対応が待ったなし。」
政府や教育専門家の見通しです。
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さて。
未だ高校留学!と夢を見ているみなさん。
ますますあなたの授業料があてにされていますね。
困っているカナダの高校生の学びを助けるための予算には、留学生の払う高額な授業料が必要なカナダの教育事情です。
エージェントや、留学フェアのカナダ人セールスマンがニコニコと「あなたを歓迎!」と言ったら「あ、私が授業料に見えてるんだ。。。」と考えて下さい。
しかし、高い授業料を払ってやって来ても、入れられるのは現地の遅れた生徒のRemedial course。
学べなかったカナダの高校生を助けるためのRemedial Courseでは、日本から留学する意味などないです。
カナダの学習遅れの高校生と一緒に学びに来る「高校留学」。
いや、自分は能力が高いから大丈夫!と思いますか?
じゃぁ、まず〈カナダ高校留学アセスメント〉に挑戦して下さい。
パンデミックを最大利用し、大空に舞い上がるように能力を伸ばした優秀なカナダの高校生の仲間入りが出来るか、それとも学習遅れの生徒用のクラスに座ることを「高校留学」と呼ぶ羽目になるのか、客観的に認識出来ます。
現在日本のGrade9(中学3年生)でReading/Writingの総合評価が80%超えるなら、自信を持って
カナダにいらっしゃい!
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このコラムの執筆専門家

- 大澤 眞知子
- (クリティカルシンキング/バイリンガル教育)
- Super World Club 代表
Be Bilingual
カナダ在住。カナダからオンライン講座カナダクラブ提供。留学生へのアカデミックサポート(エッセイ指導)留学希望生へのアカデミック準備 (Reading, writing, エッセイ基本)Critical Thinking指導、最新の理論に基づくBilingual Education特別提供中。
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