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寺崎 芳紀
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閲覧数順 2024年05月04日更新

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デジタル庁創設と介護のと関係

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こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


菅義偉政権が発足されて、半月が経過しました。

本政権の目玉政策の一つ「IT化の推進」を打ち出すため、「デジタル庁」なるものを発足するとのこと。


これは確かに、本腰入れて取り組まないと大変なことになってしまう。


特別定額給付金の手続きに関しても、あまりにひどい状況で笑うしかありませんでした。

ITに詳しい専門家がおっしゃるには、「国が作ったものとしてはあり得なく位レベルが低い」と言っていた位です。


ITの推進については、前々から必要性が叫ばれていましたが、担当大臣がPCすら触ったことのない方だったりと、話にならない位低レベルでしたから。

繰り返しになりますが、本腰入れないと本当に世界から取り残されてしまうし、人口減少社会を乗り越えてはいけません。


そういう意味で、「デジタル庁」の新設自体は大賛成です。


あとは、中身。

菅首相は、とにかく携帯料金の値下げを打ち出したい意向のようです。

通信費は確かに高いと思いますし、安くなる分にはうれしい限りではあります。


ただ、ITのますますの推進を打ち出すには、現状存在するキャリア(ドコモやau、ソフトバンク等)の力が欠かせないと思うのです。


通信費に関する国民負担を軽減することそのものは、ありがたいことですし賛成です。

しかし、これを一律に通信会社に負担を強いることで、果たしてITの推進は本当に進むのでしょうか?


一見すると聞こえのよい施策(安くなるなら確かにありがたい)ではありますが、私は単に鵜呑みにするのは危険だと思います。


これから数年かけて、通信規格を5G化しようとしていて、スマホ等のデバイスも5G対応の機種が出始めています。


通信の速さ、容量の処理を可能にする効果は、計り知れません。

これが完全普及すれば、私たちの普段の仕事もますます効率化され、かつ便利になります。人口減少社会になっても生産性は確保され、企業も大きな付加価値を生み出す可能性が広がるでしょう。


これらを実現させるのは、電波通信事業の免許を受けているキャリア事業者です。

実現させるのに、莫大な投資が必要となるでしょう。


しかしながら、国の方針により国民の通信費用値下げ負担を背負いつつ、果たして5Gの本格普及が実現できるのでしょうか。もっと言ってしまえば、IT化の推進を掲げる菅政権の施策と、通信費用の値下げは両立しうるのでしょうか。


通信費用の値下げをキャリア事業者に対して過度に強いるようなことになると、ITの推進は進んでいかないような気がするのですが・・・


もちろん、料金の適正化を図ることは必要です。

しかし、それを上回るような状況となると、キャリア会社も民間企業ですから無い袖は振れなくなるわけで、かえってIT化推進が鈍化してしまうような気がしてならないのです。


企業努力は求めるとしても、私はやはり公費も投入せざるを得ないのではないか、と思います。

コロナで財政的に厳しいのはわかりますが、もうすでに始まっている人口減少社会において、どうしてもIT推進は必要なのです。生産年齢人口が減り労働の担い手が減っても、ITを駆使して新たなビジネスや皮下価値の高い業務、今よりももっと仕事が効率化させるというのは、もはや国策であるわけです。



私のようなドシロウトとは違い、専門家が対応されるわけですので、そんな心配はご無用なのでしょうが、心配がどうしても先に立ってしまいます。



介護の業界も、中長期的にICTの推進を目標に掲げています。今後の制度設計も、ICTの推進を前提に進んでいくはずです、デジタル庁の創設と介護業界の推進というのは、全く無関係とはいえないように思います。



介護現場においてICT化が進まない要因の一つには、もちろん通信費用の高騰もあろうかと思います。

しかし、問題はそれだけではないのです。


介護職の方で、一般にITについて苦手な方は多い傾向にあります。

高齢化が進む在宅系(特に訪問介護)のスタッフでは、辛うじてメールやLINEができる・・・というrベル感の方も多く、そういう方々にとって簡単な技術すらこなすのは容易ではありません。


要は、ITリテラシーが低すぎるのです。


また、現在はコロナ禍の対策の一環で、サービス担当者会議等の要件緩和が時限的に設けられています。

これは現場にとってはありがたいことではありますが、例えばオンラインで担当者会議やモニタリングを行おうにも、相手方であるご利用者様(あるいはご家族様)の側に、最低限のIT整備すらできていないのです。

携帯電話すら持たず、固定電話しかない。その固定電話も、詐欺電話が怖いのでほとんど使わないという方も、まだまだ多い。もっと言ってしまえば、こういう環境で生活するご利用者であるほど、介護の介入が欠かせないのです。


こんな状況で介護のICTが本当に進むのか、疑問は残ります。


前のこのコラムで、「事業者がタブレットを整備してケアマネ等に貸与し、モニタリングの際にデバイスを持たないご利用者様に貸与(訪問時だけ)して差し上げるようにすれば、少しは違うのではないかという内容の記事を書きました。


20年後であれば、その時の高齢年代の方であれば当たり前のようにインターネットを活用し、スマホもタブレットも使いこなせることでしょう。

しかし、今の70代以上の高齢者のすべてに、そのリテラシーや環境整備を求めるのは酷な話です。


ですから、この施策を進めるのであれば、誰かがその援助をする必要がある。

最近の小学校をはじめとする学校では、PCやタブレットを備品として整備され、授業でも活用しています。うちの子どもが通う学校でも、タブレットを使った学習が進んでいます。


ただし、デバイスがすべての家庭が所持しているわけではない。経済的な事情で所有できない方もいる。

そういう方には、申告により学校側が無償貸与してくれているそうです。


介護の現場においても、それ位のことをしないとICT化は進んでいきません。

確かに、通信費用の削減は大変ありがたいことです。前述の、経済的事情でタブレット等の通信機器が用意できない方にとっては、通信費用の削減は助かるでしょうし、進めていただきたい部分ではあります。


しかしそれと同じ位、いや、それ以上に大事なことがまだまだあるのではないでしょうか?


今回のデジタル庁創設に、私は大いなる期待をもっておりますが、どうか通信費の削減以外の部分にも取り組んでいただきたい。

私はこのように考えます。



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(東京都 / 経営コンサルタント)
株式会社アースソリューション 代表取締役

介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします

有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。

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