- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
「カナダ高校留学の実態2019年総集編」eBook を公開して間もない2月の終わり。
コラムで初めて「新型コロナウイルス」について書きました。
まだその時には、ここカナダでは、中国・韓国・イタリア、そして日本での感染が大きく報道されていた頃です。
そこから現在6月5日までの間に世界を大きく変えてしまったCovid-19。
カナダ高校留学中の生徒たちに深刻な警告を発して来たコラムの内容を、時系列でまとめてみました。
高校留学から引き剥がされてしまったみなさんには、「一体自分に何が起こってしまったのか」「何を見逃したのか」「これからどうすることがベストであるのか」が、大きな一枚の絵を見るようにはっきり形を持って見えてくることを願います。
2月29日
中国発の新型コロナウイルスにより、いきなり日本政府が全国学校休校を発表。
カナダにも驚きが広がりました。
「そんなにひどい? それとも、オリンピックを守るため?」と。
3月4日
カナダ政府が、国境制限を始める。
日本への旅行はレベル2(注意喚起)として警告。
この時点でカナダの感染者は、BC州、ケベック州のみ。
警告:
現在高校留学中の人には、この春の新学期を目処に日本の高校に戻る選択肢を勧めます。
カナダ政府には、自由意志でカナダに高校留学している日本の未成年を守る義務はありません。
カナダにいる日本人高校留学生は自己責任で留学を継続するよう求められているのが現状です。
ホームステイの状況も中国・韓国・日本からの留学生には、かなり厳しい変化も予想されています。
3月7日
カナダの9州で、日本からの入国者には医療機関での検査や経過観察などを義務づけ。
カナダのすぐ南にあるワシントン州立大学全面休校。
警告:
カナダへの短期プログラム、語学学校目的のカナダへの渡航は現在では問題外。
カナダの大学への正式留学予定の方は、カナダからの最新ニュース、大学からの連絡を見逃すことのないよう、注意して渡航予定を立てて下さい。
高校留学は、長期・短期を問わず、非常に厳しい状況。
迅速に行動し、母国親元に一旦戻ることをお勧め致します。
日本から親が訪ねて来ることも難しい状況になる様相です。
また、高校から感染者が出た場合、大規模な休校も考えられます。
その場合の留学生への対応は非常に限られたものになることも理解しておいて下さい。
残念ですが、カナダ高校留学中のほとんどの高校生親子はこの時点では「警告」を本気にしませんでした。
3月9日
BC州で最初のコロナウイルス死者。
感染者、カナダ全土に広がる。
BC州の高校数校で感染確認。
高校・大学が休校を準備。
警告:
高校留学生をどうするかは、カナダ政府の責任ではありませんので、全く話題にも上っていません。
ホストファミリー事情も大きく変わることが予想されます。
休校中の留学生の生活も、ホストや学校が責任の持てることではありませんので、混乱必至。
3月10日
BC州高校数校が休校決定。
Harvardをはじめとするアメリカの大学が休校に動く。
警告:
カナダの高校側は、春休み中にカナダ人高校生が海外に出る場合にも「不急の旅行は避けること」「どうしても海外に出た場合には、カナダ帰国後2週間の自主隔離をすること」を条件づけ。
カナダのHealth Ministryは「日本」への旅行は見合わせるよう勧告しています。
留学生の場合には、カナダ帰国後ホストファミリーが見つからない、Custodianを変える必要があるなどの、非常に難しい問題が(留学継続はおそらく不可能)待ち受けていますので、覚悟の上、慎重に春休みを過ごして下さい。
未成年の高校留学生は、日本・カナダ間のフライトが続いている間に、日本の親元に戻ることをお勧めします。
身動きが取れなくなる前に行動して下さい。
それでもまだ深刻さは伝わりませんでした。 なぜでしょう?
「春休みは帰るのを見合わせました」程度の、危機感の欠ける高校留学生に驚愕した頃です。
3月12日(1)
警告:
春休みの帰国どころか、春休みが延長され、学費ははらったものの、コロナウイルス渦中でただ悶々と閉じこもり(ホストファミリー事情も厳しい)過ごすことになりそうなカナダの現状です。
カナダ受入学区に対して払い込んだ学費の返還交渉も大いにありです。
真実を語ることなく、甘い言葉で誘導し、しかもこのコロナウイルスの非常事態。
交渉の余地は十分あるはず。
良心的な学区から学費返還についてのお知らせが届き始めたのが4月の終わり。
そこまでに何の動きもしなかった高校留学生はすでに払込済みの授業料は全額は戻らないという事態になりました。
3・12の時点で行動を起こしていれば100%の可能性は十分あったと思います。
3月12日(2)
カナダのトルドー首相、自己隔離へ。
現在までのカナダ感染者は、海外旅行がらみであるため、外国からカナダに入国する人に対する検疫は今後強化されると考えられています。
特定感染国に指定されている日本からの入国条件も突然変わることもあり得ますので、十分ニュースに注目しておいて下さい。
大学も高校も休校への準備。
学生ビザを扱うカナダのビザセンター休止が予測される。
やっと、高校留学生の親が少しパニックになって来ました。
相談が多くなったのがこの頃です。
スクールボードの留学プログラムからは個別の親への連絡はなく、間に入ったエージェントからの一方的な通達という形が多いことへの戸惑いです。
実際にカナダでは何が起こっているのか?
スクールボードからの直接の警告は特にないまま、エージェントの一方的な警告を鵜呑みにしていいのか、というものが多いです。
春休みに日本への帰国を計画していた留学生、また、日本から家族がカナダの留学生を訪ねて来る計画を立てていた方も多いようで、情報の不一貫性に困っているようです。
警告:
エージェントはすっ飛ばして、親から直接留学プログラムに情報を要求すること。
留学中の子供を守るためには、日本の親が直接乗り出すこと。
そして、ただちに子供さん一旦日本に帰国させることを真剣に考えて下さい。
留学生活がもとに戻る見込みは今のところたっていないのが、カナダの事情です。
留学中のみなさん、留学予定のみなさん。
重大ニュースを見逃すことのないよう、手遅れにならないよう迅速な決断と行動をして下さい。
しつこく警告を発していた時期ですが、素早く帰国に動いた留学生はまだほんの少数でした。
3月12日(3)
カナダ政府は外国への旅行は避けるよう強い勧告。
帰国後は14日間の自己隔離を義務付け。
警告:
カナダにいる高校留学生のみなさん。
時期を誤ると、日本への帰国自体も危うい状況になる可能性も出てきます。
そのような事態となれば、おそらくホームステイなど滞在先確保にも大きな障害が出て来ます。
手遅れにならないよう迅速な決断と行動をして下さい。
根気強く発信を続けましたが、反応は非常に鈍かったです。
3月13日(1)
カナダへの国際線乗り入れ制限。(4空港に制限)
3月13日(2)
カナダ社会の治安悪化。 特に留学生の多く集まるサレー近辺がますます危険に。
それでも未だこの周辺に多くの日本人未成年留学生が残留していることに驚愕。
3月14日
カナダ政府重大警告「外国にいるカナダ人はただちに帰国すること」
アルバータ州発表「学校休校準備中。休校すれば今学年末までになる。」
カナダの主要大学、オンライン化に動く。
警告:
かなり近い将来カナダの国境が閉鎖(程度は予想がつきません)される可能性も十分あり、そうなるとカナダ・日本間の行き来が止まります。
外国人からの感染を深刻視しているカナダでの未成年高校留学生の立場は、今後必ずしも好意的ではない方向に向かうことも考慮にいれ、出来るだけ早めの帰国を準備すること。
今学年無期限休校のニュースを聞いてもまだ危機感のない高校留学生親子に、そろそろ呆れてきたのもこの頃です。
3月15日
アルバータ州今学年中全面学校休校を決定。
オンライン授業に切り替えるが、留学生には非常に難しい措置。
警告:
未だカナダに留まる日本人高校留学生は、ただちにカナダを出国し日本に戻ること。
カナダ政府の最大の目標は「カナダ国民を守ること」だと明確に述べられています。
外国から来た未成年の高校留学生は、政府の保護下には入れません。
母国の日本で、親元で安全を確保することが今絶対に必要。
今度は届くかなと期待したのですが、まだ高校留学生親子の動きは鈍いです。
なぜなのか、不思議で仕方ありません。
3月16日
カナダ、カナダ国籍を持つか、永住権を持つ者以外の入国を禁止。
カナダ市民、永住者が帰国後は14日間の自己隔離を義務付け。
警告:
すでに大多数の高校留学生はカナダを離れたと思いますが、未だ留まる日本人高校生は、ただちに行動して下さい。
カナダ政府は自国民を守ることに集中しています。
日本の未成年は、直ちに母国日本へ帰国するよう警告します。
後からわかったことですが、こんな重大変化のあとでも、日本帰国をためらっている留学生が非常に多かったです。 なぜですか?
3月17日
BC州全学校無期限休校。
オンラインでの授業に対して「学校・親・生徒たちとの連絡を密にすること」「親は子供に詳細を説明すること」の声明。
*日本人高校留学生には、この「学校ー親」の緊密な連絡網がありません。
非常に不利な立場におかれます。
*州教育相の声明は完全にカナダの高校生とその親に向けたもので、留学生への言及はいっさいありませんでした。
警告:
高校留学生のみなさん、高校は今学期末まで閉まります。
授業がオンラインになるのであれば、留学中のスクールボードと独自に交渉し、日本からの受講を可能にさせることも可能です。 「学年末まで、カナダで何の活動も出来ず、ホストファミリー宅に閉じこもり、外国でコロナウイルス感染を心配しながら過ごすつもり」の方以外は、ただち決断する最後のタイミングだと思います。
それでも、「帰国したらオンラインが出来なくなる」とエージェントや、酷い場合は学校脅され、カナダ残留を決めた留学生もいます。
結局自国からのオンライン受講は問題なく始まったのですけどね。
嘘をついて脅したエージェントや、カナダの学校(Langleyなど)は、恥を知れ!ですね。
3月17日
警告:
Social Distancing規制のため、学校には行けず
外出も規制され、友達を作るどころか、学校の生徒や他の留学生との交流もほぼなし。
ホストの家にこもることに。
おそらく、未だカナダに留まり「そのうち終わるだろう。。。」と根拠のない可能性にかけているのは、日本の高校を退学して留学した高校生だろうと思います。
そんな切羽詰まった高校留学生がカナダには数多く残っていると思います。
今学期の単位は? 卒業出来る? と。
そのためには、今までエージェントにお任せだった高校留学を「自分とスクールボード」との直接の関係にすることです。
親が直接スクールボードに電話をかけるか、メールを出し、学校授業がすべてオンラインになった場合の我が子への対応を強力に要求することです。
まずは、高校生が無事に母国の土を踏むのが第一。
その後、親子でどんどんスクールボードと連絡をとって下さい。
この緊急事態に、「帰国してしまったから」などと拒否するカナダの学校はないと思います。
3月19日(1)
カナダ・アメリカ国境封鎖(商業往来以外)
Grade12、そして卒業へのルートに乗るために必要な州試験はすべてキャンセル。
各州により規定は大きく変わり、また各スクールボードによっても対応はかなり異なります。
更に悪いことには、留学生に対する対応はバラバラ、決まった指針もない状態。
3月19日(2)
カナダ政府、学生ビザ保持者には入国を認める決定。
カナダの学校、慣れていないオンライン授業に苦慮。
内容は薄いものになると教育省が暴露。
3月20日
やっとパニックになり帰国ラッシュとなった高校留学生。
それでも今後の対応には頭が真っ白という人のために、サポートプランCanada Club Emergencyを立ち上げ、救出に乗り出しました。
日本から高校留学をどう継続し、卒業に向かうかへのサポート。
3月21日
カナダからの速報内容を概要だけに切り替えることにしました。
多くの相談メールが届いたのですが、いくら詳細を返信しても何の一言もないことに失望したからです。
外国に未成年を送る親であれば、世界共通のマナーであるべきコミュニケーションが取れることが絶対必要条件です。
3月22日
カナダのスクールボードが慌て始めました。
留学生の授業料が消える!と。
その結果、信じられないような嘘のお知らせが届くようになりました。
例:
・留学生に逃げられないよう”Stay in Canada”と暗黙に脅迫している文面が多いです。
「オンライン授業が提供され始めたとしてもカナダ国外からは不可能
従って、卒業を目指す留学生はカナダに留まること」
「一時帰国した留学生の復帰は、今学年中は認めない」
などなど、実に身勝手な言い分のお知らせが届き始めています。
カナダ政府の発表とは大きく異る嘘八百のお知らせです。
カナダ政府は「生徒が地理的にどこで待機中でも関係ありません」とオンライン授業受講について明言しています。
エージェントを通した留学生には直接のメールはなく、エージェントが情報を回すことになっているのか、受け取っていない親がほとんどです。
「エージェントがすべて計らってくれるだろう」という甘い考えで今まで待っていた高校留学生が、現在カナダで立ち往生しています。 親も余りにも今の情勢を知らなさすぎです。
3月25日
ホームステイ事情が大きく変わっています。
カナダ人の3人に1人が今月末の住宅ローン、家賃、光熱費、その他の支払いが出来ないそうです。
コロナウイルス緊急事態により、レイオフ、解雇、また自営業者も収入がないなどの問題を抱える人が非常に多数にのぼっています。
政府からの援助案も発表されましたが、時間的に間に合わないのと、いつまで続くか予想がつかない事態に、その援助金もすぐに底をつくことが恐れられています。
ホストファミリーは特に普段からお金に困っているケースが多いですので、一体どんな変化が起こるのか予断を許さない状況です。
一時帰国した留学生が学校再開でカナダに戻ることが出来たとしても、ホームステイなど留学、特に高校留学を取り巻く状況は信じられないほど変わることが予測出来ます。
3月27日
オンライン授業概要発表が遅れています。
その理由は?
教師が春休み中だから。
特にBC州はカナダの中でも特に社会主義傾向の強い州です。
労働組合も異常に強く、しょっちゅう公務員もストをやっています。
その影響でこんな異常事態でも、教師たちは「春休みは自分たちの権利」と、不安にかられるカナダの生徒や親など何のその、有給の春休みを楽しんでいるわけです。
一時帰国中の高校生親子からも「学校からのメールも曖昧でよくわからない。」「何の連絡も来ない。」「留学生がどう扱われるのかが全くわからない。」との必死の相談が届いています。
結局やっと始まったオンライン授業の中身は、次のレベルへの準備にも何にもならない惨憺たるものでした。
4月1日
4月1日現在、慌てまくったほとんどの学校は第一弾のお知らせを生徒に向け発信しているようです。
日本に一時帰国した高校留学生にも同じお知らせが届いていると思います。
「カナダからオンライン授業のお知らせが届いたから大丈夫!」と油断はしないように。
カナダの親たちには、そのサイトを使い家庭学習を始めるようにとの要請が来ていますが、「これで一体どうしろと!?」と困惑と不満を口にしています。
オンライン教育に必須の丁寧な個人サポートを徹底的に行うようにと、要求されているのがカナダの親たちです。
高校留学生の親にも同じことが要求されています。
「留学継続のためには、親がカナダの高校教師のように毎日子供のオンライン学習をして下さい」ということです。
親のみなさん。
「カナダの高校レベルの英語がわかりますか?」
「英語での高等教育をよく知っていますか?」
そんな能力を持ったエージェントもまず存在しませんので、英語が出来ない場合、留学生の親は孤立無援です。
オンライン授業を突貫工事で作れ〜!と命令され、ドタバタしている教師たちも困惑と心配を声に出し始めました。
「オンライン授業のレベルは高いものには出来ない。みんなを合格させるということが第一義。しかし、そんなレベルだと、高い能力育成が必要な生徒たち、大学進学希望の生徒たちの能力は止まってしまう。優秀な生徒たちの能力を伸ばしてやることが出来ない。」
今回のコロナ留学騒動は、「英語が出来ない親が子供を英語圏高校留学させること」の無謀さ、危険さを十分認識する機会になったと思っています。
4月3日
日本総領事館からも警告が届くようになりました。
「様々な商業施設・公共施設が閉鎖され,不要不急の外出の自粛が呼びかけられていることもあり,昼間でも人通りが少なくなり,これまでは安全だと思われていた地域でも以前とは様子が異なりつつあります。
遠回りであっても交通量が多い大通りを通り,裏通りには立ち入らないようにして下さい。また,公共交通機関を利用する際,バスなど運転手がいる乗り物では運転手から目の届く場所に乗車し,挙動不審な乗客がいれば乗車位置を変える,不審者がいる場合は次の便にするなど,警戒してください。
イヤホンで音楽等を聴いていたりすると,周囲の音にも気づきにくくなり危険を察知できない場合もあります。
バンクーバー都市圏においても,今般の新型コロナウイルスに絡んで東洋人が暴行被害に遭ったとの報道もあります。
外出が必要な際はできる限り昼間に用事を済ませるようにし,どうしても夜間出歩かなければならないときはご自身の安全に十分に留意し,危険とされている地域には立ち入らず,被害が発生したり,危険な状態に陥ったりしたときには直ちに「911」に電話してください。」
4月4日
BC州教育省、オンライン授業のレベルの低さを白状。
真剣に卒業・大学進学を目指す生徒は、自分で対策すること。
例えばFormal Distance Learningを受講するとか。
これもかなり警告を発しましたが、もともとカナダの教育制度も知らずに留学した日本人高校生からは質問はありません。
その結果、この夏、大きなパニックが来ると思います。
4月6日
BC州発表(オンタリオも続く)
BC州は、9月からの学校再開可能性は誰にも予想出来ないところから、9月以降もオンラインシステム利用継続を想定。
卒業と大学進学を目指すGrade11, 12の生徒は、今回のオンライン授業では次のレベルへの能力向上、また卒業試験への十分な実力がつかないので、Formal Learning Online Courseを別受講すること。
4月9日
カナダ首相重大発表
現在取られている様々な制限がいつ解除されるは不明だが、感染数を抑え込むためには数ヶ月は続ける予測。
・秋にも第2波が予想されており、ワクチン完成を見るまでは「制限された日常生活」が「普通」になる。
・時間的な見通しは、1年から1年半。
従って高校留学生への学校再開は絶望的。
元々、自国の高校生の教育に集中し、高等教育に叶う能力を付け、将来社会に貢献出来る人材を育成することが責務である高校。
そこに「留学生の払う高額授業料」中毒となった各スクールボードが金の亡者として登場した「汚い高校留学」。
コロナウイルスがとどめを刺ました。
たくさんのエージェントが倒産するでしょう。(今日現在6/5消滅したエージェントが多いです。)
自国の生徒の命を守るため、自国の生徒の教育機会を守るため、連邦政府も州政府もスクールボードも必死です。
オンラインに移行する高校教育もカナダ人生徒向けで進みます。
授業料収入中毒のスクールボード留学プログラムも人員削減を始め、プログラム縮小を進めています。
オンラインで提供される内容も、カナダ現地の高校生向け、そしてカナダの親のサポートが必須。
カナダの高校生には教師がひとりひとり丁寧に対応しています。
親にも頻繁に電話をかけ、生徒の精神状況にまでも踏み込んでいます。
が。
留学生には、メールが届く程度、オンラインもサインアップしなさいとの指示が届く程度。
日本の親にカナダの教師が電話で対応するなど想像も出来ません。
あんなに高い授業料を払っているのに。
4月15日
警告:
「パンデミック後のカナダ社会には、外国人未成年への場所はないと思います。」
この後のコラムには高校留学生への警告というよりは、今後のNew Normal世界での教育について多くを語っています。
3月の重大な局面でかろうじて無事に帰国した高校生のサポートをしながら、未成年の大切な未来にをサポートしています。
New York Timesに掲載された教育専門家からのオンライン授業への警鐘です。
本当に質の高いVirtual Educationとは、全く新しい指導であり、カリキュラムもオンライン向けに特別にデザインする必要がある。
しかし、今回の非常措置で取り繕って行われているいわゆる「オンライン授業」は、準備の全くないスクールボードで慌ててプランされ、対面指導の技量しかない教師たちが手探りで実施しているだけ。
結果、現在の学校休校によるオンライン授業は授業といえるものではなく、生徒の学力が上がると考えるのは到底不可能。
その結果、長く続く休校の影響は生徒の能力には計り知れないほどのマイナスとなるだろう。
歴史的に見ても、長期の休校によるマイナス影響は、生徒の能力を損ない、その後の大学教育での成功にも大きな影を落とすことがわかっている。
コロナウイルス下の休校を心配する親たちも、このような歴史的データを知り、今回の長期休校(オンライン授業があろうがなかろうが大して違いはない)が自分の子供の学力発達を止める可能性を含んでいることを知るべきだ。
本来伸びるはずだったにも関わらず、つけ刃のオンライン授業は役にも立たず、伸びる機会を失った能力はおそらく一生大きなマイナスとなる可能性があることも、親は認識してほしい。
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コロナウイルスが叩き潰した高校留学から不死鳥のように空に舞い上がるには、一字一句理解することが必要な教育大停滞です。
「自分の学力は自分で守る」強い意欲のある高校生からの相談のみ受けています。
[追記]
6月5日現在、9月からの高校は「オンライン授業+時々(週1程度)]になると政府発表。
パンデミック第2波のスケールにより変更も想定。
ほとんどの高校留学生は授業料の全額返金機会を逸した模様。
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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