一般企業向け公的資本支援策、中小企業向けは7200億円 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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一般企業向け公的資本支援策、中小企業向けは7200億円

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4日20時30分時事通信社ネット記事は次のように報じた。

政府が検討している一般企業向けの公的資本増強支援策で、
日本政策金融公庫(日本公庫)の2009年度の損失補てん限度額
(1兆4684億円)の内訳が4日、明らかになった。
中堅・大企業への出資損失と融資損失の補てん見込みは7484億円と、
全体の半分にとどまることが判明。
残りの7200億円は中小企業向け融資損失への補てんへの備えとして見込んだ。

政府は出資損失の5割ー8割の補てんを検討中。
補てん割合を50−80%と仮定すると、出資損失見込み額は
最大で0.9兆ー1.5兆円となる計算だ。

政府は今国会提出の産業活力再生特別措置法(産業再生法)改正案で、
日本公庫が将来発生する損失の一部を補てんできる対象に、
日本政策投資銀行などが実行する一般企業への出資損失を追加。
09年度予算案で補てん限度を1兆4684億円確保したが、内訳は未公表だった。



中小企業の資金繰りが先細っている。
それだけに、日本公庫の融資損失枠がどれほどになるのか、
注目されるところでした。

財政基盤の脆弱な中小企業にとって、緊急融資の必要性が高まっているが、
セーフティーネット融資の審査さえ、非常に時間がかかっている
現状は、早急に改善が必要な状態であった。

今回明らかになった損失補てん枠が、予想以上に大きかったことは
厳しい経営を強いられている中小企業にとって朗報です。

麻生内閣の指導力に疑問符がでるほど遅々として進まない
中小企業対策ですが、何とか早急な是正を求めて行きたいものです。


対岸のアメリカでは、公的資金を受ける企業の幹部報酬の上限を
年間50万ドル(日本円約4500万円)に制限する方針を明らかにしている。
大統領は、金融・経済危機に拍車をかけた企業の幹部報酬に公的資金を
無駄遣いすることは認めないとし、「金融システムの回復のためには
信頼回復が必要であり、信頼回復のためには税金が金融機関の過剰報酬に
使われることが決してないようにする必要がある」と指摘している。
これに対し、金融大手ゴールドマン・サックス幹部は公的資金
約9000億円を返済する意向を示しているという。
(5日8時8分トムソンロイターネット記事、5日10時23分共同通信社ネット記事等)

日本でもアメリカほどではないにしても、公的資金の投入と
公的資金の投入を受ける企業の幹部報酬の制限は必要であろう。
乱脈経営の結果として税金を投入せざるを得なくなるような企業は
市場から退場して頂くこともその選択肢に入ってこよう。

昨日書いた天下りの件にしても、多額の退職金を支払いながら、
その財務内容のチェックを受けない公益法人への公的資金投入は
問題であろう。
また、旧経営陣(既に退職した天下り官僚)の責任を
追及しないことにも疑問がある。
公益法人といえども、民間企業である以上、説明責任とともに、
経営責任を明確にする必要がある。


そのためには、公認会計士監査の義務化、
または政治資金監査人制度ような制度を創設して、
会計の専門家といえる方々によるチェックを義務化するべきであろう。

外部にスピンアウトすることにより会計検査院の検査を免れる
現状のやり方は是正しなければならない。


これと同じ論理が公的資金の投入を受ける企業に対しても適用される。

公的資金の投入に対しては、公認会計士も、会計基準に対する適正性の
監査だけではなく、公的資金の使い道の適正性に対しても、
監視の目を向けていくべきであろう。

我々税理士もその役割の一端を担う必要があり、
その準備が求められるところである。