- 平 仁
- ABC税理士法人 税理士
- 東京都
- 税理士
対象:会計・経理
内閣府が、平成27年度に10%の消費税率を前提に
今後10年の日本経済の姿を試算していたことが、
7日公表された経済財政諮問会議の議事要旨で分かった、という。
これは、平成20年12月26日に開催された、
平成20年度第31回経済財政諮問会議の議事要旨のことである。
26日の会議においても、年明け1月6日の会議においても、
「経済財政の中長期方針と10年展望(仮称)」について、
議論されている。
これは、
第1章 経済財政運営の現状と課題
第2章 経済社会の将来展望
第3章 今後10年の日本経済
の3章から構成されているもので、これを読むと、
政府が財政再建をどのように進めていこうとしているのか、
よく分かると思います。
まだ、原案段階なので、正式決定されたら、その具体的な内容を
ここでも紹介していこうと思います。
問題とされているのは、第3章の今後10年の日本経済についての
齋藤内閣府計量分析室長の説明である。
「財政に関しては、3つのシナリオすべてに共通するものとして
次の2つを想定している。
1つ目は社会保障の機能強化について、「中期プログラム」で示された
工程表に沿って機能強化と効率化が図られることを想定している。
2点目が、同じく「中期プログラム」の記述を参考にして、
2011年度から毎年1%ずつ、段階的に消費税を上げる。
その結果、2015年度には5%の引き上げが実施されているという
想定をしている。」
齋藤内閣府計量分析室長の言葉に明確に2011年度から毎年、
消費税率を1%ずつ上げて、2015年度には5%の引き上げになる
との言質がある。
つまり、官僚側は消費税10%を想定して将来の財政再建のための
シナリオを作成しているのである。
いつの間に、消費税10%が確定していたのであろうか。
議事録は、与謝野経済財政政策特命大臣の
「この話は、今日はまだ結論が出ないので打ちかけにさせていただき、
もう一度ご相談させていただきたいが、よろしいか。」
の一言で閉会していることから、
年明けの平成21年度第1回経済財政諮問会議議事要旨の公表を待って
今一度検討したいところである。
消費税率を上げるにしても、納得のできるシナリオと、
中小企業の事務負担の過度な増加がないような仕組みを作って頂かないと、
その内容を素直に「はいそうですか」とはいかないところであろう。