
- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- クリティカルシンキング/バイリンガル教育
ほぼ毎日耳にする、ホームステイの惨状です。
何も知らずに送られ、何の権利もない外国で、立ち往生する留学生たち。
知らずに来たことがそもそもの問題ですが、それをカモにするエージェントやお金目当てのホストファミリーはとんでもない大問題です。
【質問】
現在カナダ留学中ですがホストファミリーを変えようかと迷っています。
ホームステイ決める時のアンケート用紙のアレルギー欄にタバコと書いたのにホストファミリーは喫煙者。
身体からの匂いとかで気持ち悪くなる。アレルギー欄に書いた以上完全に禁煙家庭を用意するべきだったのではと思う。
節電が度が過ぎていて、部屋を出る時、寝る時に消さなくては行けないのは理解するが、部屋に居る時、少しでも日が出ていれば電気をつけてはいけないと言われる、これでは勉強するには暗すぎである。南向きでもなく、窓も小さいし。また、ご飯も暗闇の中食べるせいか、食欲がわかない。
食事が移民家庭のせいで合わなすぎる、とか、自分とのコミュニケーション以外は英語以外の言語を使っている、宗教的な問題でキッチンを使わせてくれないとかいろいろあり、ストレスです。
【回答】
現在のホストファミリーからはただちに出ることですね。
あなたにはその権利があります。
「ホストを決める前にタバコアレルギーと書いた事実」はあなたの権利を裏付けしていますから、堂々と文句を言って下さい。
カナダにて、日本からやってくる優秀な若者の支援をし、30年近くになります。
ホームステイの問題は、30年前から存在しますが、特に悪化傾向にあるのがこの10年来です。
カナダからのアドバイスです。
現在、カナダで、留学生を積極的に受け入れているのはほとんど移民家庭です。
経済的に苦しく、留学生の払うホームステイ費用が目当てです。
日本からの留学生に興味などありませんし、お金さえ手に入れば満足です。
また、もともと経済的に苦しい家計状況ですので、電気の使い方、洗濯・シャワーの仕方にもいちいちうるさいです。
食事も手抜きだったり、部屋がお粗末だったりと、大きな問題として浮かびあがりつつあります。
様々な文句(生徒、ホスト双方からの)を経験しましたが、「宗教的な問題でキッチンを使わせてもらえない」というのは初めてです。
何かの言い訳に聞こえますね。
ホストをチェンジする際の手順として、あなたが文句を言えるだけの英語力を有している場合は、ホストファミリーと直接話合いをするのがベストです。
「日本人はどうせ、英語も出来ず、自己主張もせず、文句を言わないのでどう扱っても大丈夫」という妙な評判がありますので、あなたが声を出すことで状況が改善する可能性もありますね(タバコ以外は)。
エージェントは「ホスト不足」を必死で隠して、移民家庭でもどこでも構わず日本人を押し込んでいるのがビジネスですので、最終的にはあなたの側にはついてくれません。
そんなことをすると、次のホストが見つけられなくなり、商売上がったりとなりますから。
また、エージェントからホストに話を持っていくと、今度はホストからしこたまあなたの悪口を聞かされ、「あなたが我慢した方がいいですね」の結論になってしまうケースが多いです。
そして、カナダの日本人エージェントの英語力は驚くほど低い場合がありますので、その場合は、全く頼りになりません。
移民ホストとの論争にも、とてもついていけるレベルではありませんから。
あなたが直接話合いをするにしても、仕方なくエージェントに中に入ってもらうにしても、次の件は大いに主張して下さい。
1.タバコアレルギーなので、この家には住めないこと(前もって伝えておいたことも重要な事実です)
2.電気代節約はわかるが、部屋が暗くで勉強出来る環境ではない。
3.言語、キッチンなどは、文化による差別を厳しく禁止しているカナダの方針に合いませんので、理由の中には含まないことをお勧めします。 カナダでのあなたの評価が大きく下がる結果となります。
どんなエージェントに送られたのかわかりませんが、かなりいい加減なところのようですね。
従って次のホストがみつかるかどうか、果たして良い変化になるかの保障がないのが留学生の置かれている現状です。
友達から噂を聞いて、良さそうなホストに直接接触するとか、自分で積極的に動くことも必要なのが留学です。
日本のみなさんが、留学前に絶対知っておくべき事実が「ホストファミリーの惨状」です。
エージェントから、それについての説明がなかったのであれば、エージェントにも苦情を言うことをお勧めします。
高いお金を払い、日本からやって来たあなたの権利です。
カナダ政府は、留学生を守ってはくれません。
自分の意志でわざわざ他人の家にステイしに来た外国人です。
自分の権利は自分で守る。
大きな経験になると思いますよ。
Good Luck!
このコラムの執筆専門家

- 大澤 眞知子
- (クリティカルシンキング/バイリンガル教育)
- Super World Club 代表
Be Bilingual
カナダ在住。カナダからオンライン講座カナダクラブ提供。留学生へのアカデミックサポート(エッセイ指導)留学希望生へのアカデミック準備 (Reading, writing, エッセイ基本)Critical Thinking指導、最新の理論に基づくBilingual Education特別提供中。
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