- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
皆さん、卒業、おめでとう。本日の会は、昔で言うと、謝恩会というのでしょうかね、卒業生が先生方にお世話になりました、とお礼を言う場なのでしょう。しかし、私は、逆だと思うのです。皆さんがお礼をいうのではなく、お礼を言いたいのは、周りの大人たちだと思います。皆さんの思い出としては、昨年の運動会での組体操です。これには感動しました。しかし、運動だけではなく、元気に遊んでいる姿をみているだけでもそうです。
今から800年以上前の人の有名な歌があります。「遊びをせんとや生まれけん たわぶれせんとや生まれけん 遊ぶ子供の声聞けば わが身こそさえ ゆるがるれ」。意味は、子供たちは、遊ぶために生まれてきたんだろうか、その元気な声をきいているだけで、こっちもつられて体が動いてしまうよ というほどの意味です。昔から、子供たちが、元気で遊んでいるのを見ているだけで大人は感動するんですね。何故か。それは、人間の一番大切なこと、生命(いのち)を繋げること、と関係するからです。命を繋げること、とは、子供を産み、育てること、生命として、もっとも大事なことです。人間の場合は、文化や文明を伝えることも含みます。
命の根拠は、いくら考えても分からない。しかし、これだけは皆さんに伝えたい。人生には意味があります。どの人の人生にも、どんな人生にも、意味があります。なぜなら、人生には、大小さまざまな感動が埋め込まれているからです。美味しいものを食べて、美味い、と感激すること。人を好きになって、ぽーっとしていること。困った人を助けて感謝されて、うれしかったこと。などなど。
皆さん、お母さんに、勉強しなさい、と言われて、頭にくるなあ、という子もいるでしょう。私も親ですので、親の気持ちを考えてみると、まず、自分が生きていてよかったという感動を子供にも味会わせてやりたい、と思います。勉強していて、それまで知らなかったこと、分からなかったことが分かって、目の前がパーっと開けたような経験だとか、尊敬できる人にであうこと、とくに尊敬する人に尊敬される喜びは、人間の一番の喜びだと思います。そういう感動は、ある程度勉強しないと得られない。また、勉強すればするほど、その感動も大きく、深いものになります。それを子供にも経験してほしい、という気持ちがあります。そのほか、失敗したことは子供には繰り返して欲しくない、自分の人生でやれなかったことを実現してほしい、いろいろな思いがあります。お母さんに勉強しなさいと言われても、うるさいと思わずに、そんなお母さんの気持ちを理解してあげる。それよりさらに、一歩進んで、お母さんも、自分の子が充実した人生をおくれることを願っているんだな、って考えてあげてください。
もっとも、勉強は大事です。お母さんに言われなくても、勉強はしなければいけません。中学に入って、英語、数学は、基本であり、とくに積み重ねが大事だから、毎日、こつことやること。国語、とくに読書は言うまでもない。なじみのない子は、自分の興味のあることから読書を始めたらいいと思います。妖怪が好きな子は、妖怪の本を読み込んで、それから他の本も読んでみること。読書は、君たちの人生を、何倍にも実りあるものにしてくれます。なぜなら、読書をしない人は、その世界は自分が見たり、聞いたりした範囲にとどまります。ところが、読書をする人は、大昔から、未来まで、地球や宇宙まで、世界が広がるからです。そして、他人や自分の心の中まで覗くことができるようになります。
〇〇小学校での6年間にも、数々の感動があったはずです。友達と勉強したり、遊んだりした思い出は、一生の宝です。私は、今でも、小学校一年生のときの担任の先生のお名前を憶えています。藤波秀子先生と言います。私は、両親が仕事で忙しかったので、小学校にあがるまで、ひらがなもカタカナも知りませんでした。みんな、藤波先生に、最初から教えてもらったのです。
小学校時代の記憶は、楽しいときには、そのうれしさを2倍にしてくれます。大人になっても、これを、生に報告したら、喜んでくれただろうな、と思うと、もっとうれしくなります。悲しい時は、その悲しみを半分にしてくれます。子供のときには同じようなことがあったけど、友達のだれだれちゃんが、なぐさめてくれたなあ、と思い出すと、スーッと悲しみが消えていきます。そして、人生には、今やらなくていつやるんだ、というときがいくつがあります。そのときには、元気が湧いてきます。身も心も疲れて、心が折れそうになったとき、ふと、校庭で夕焼けで空が真っ赤になるまで遊び惚けていた時代を思い出します。すると、ようし、もうすこし勉強しよう、一仕事しようと、元気がでてきます。
PTAで、君たちと、多少なりとも、かかわりを持った者としては、これから先、たまの機会にでも、〇〇小のことを思い出してくれたら、こんなにうれしいことはありません。
これからも、お父さん、お母さん、先生方、地域の方々、友達への感謝の気持ちを忘れず、〇〇小学校卒業生としての誇りをもって、活躍してください。期待しています。
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- 大塚 嘉一
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