
- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
〇〇小の大塚です。本日は、区長におかれましては、お忙しい中、このような意義ある会合の機会を設定していただきまして、ありがとうございます。私は、昨年も出席し、本当に勉強になり、楽しい会でした。次も出席したいと願い続け1年たち、昨晩は、うれしくて興奮して、眠れませんでした。
本日のテーマ「〇〇区の子供たちの安心安全な未来づくりに向かって」に関連して質問させていだたきます。
さて、私は、二年前に、何も経験がないまま、PTAに飛び込みました。そのとき気づいたのは、関係団体の多いことです。ああ、文京区の小学生たちの安心安全は、こうして守られているんだと、認識を新たにしました。中には、業務が重複していたり、既に歴史的使命を終えているのではないかと思われないでもない組織も、ないではない。しかし、それによって、ネットにひっかかって救われる子供が一人でもいるのであれば、十分意味がある、と思っています。
ところで、文部科学省肝いりのの学校支援地域本部です。スクールガードや地域コーディネーターなど、PTAと被る活動をしています。言い出しっぺの杉並区の和田中学校は、PTAを廃止しました。逆に、PTAが、学校支援地域本部にストップをかけている学校もあると聞いています。両社が併存する学校でも、縄張りあらそいめいたものの話を聞くことがあります。
そもそも、私は、文科省について、相反する気持ちを持っています。一つは、ロケットを飛ばしてくれてありがとうという気持ち。もう一つは、ゆとり教育などの失敗。私の職業で言うと、法科大学院すなわちロースクールの失敗。とくにゆとり教育は、文化大革命ともいうべく、本家のように何千万人も死ぬことはありませんでしたが、確実に日本の国力を低下させました。そして、文科省は、ゆとり教育やロースクールの失敗を失敗と認めていません。
その理由は、行政無謬(むびゅう)論です。行政は、無謬、すなわちまちがうことがない、したがって責任を問われることがない、という間違った考えです。戦前はもちろん、戦後もしばらくは、この行政無謬論が横行しておりましたが、国民との対立、調整を経て、次第に、行政も、わきまえるようになりました。しかし、文科省は、依然として、この間違った考えにとらわれているようです。その誤りを避けるためには、徹底した現場との対話しかないと、私は考えます。現場の経験に学び、現場の知恵を借りて解決に至る。それしか、行政の独善を排する道はない。
他方、PTAは、誇りと気概をもって当たるべきです。日本PTAのウエッブサイトを見て、がっかりしました。戦後の歴史のことしか書いてありません。140年前、明治政府は、欧米の植民地にならないと決め、全国に小学校を設置しました。大学よりも早い。国民すべてに基礎教育を施すことの重要性を認識していたからです。国民も、一部に反対がありましたが、大方は賛同し、協力しました。全国どこにいっても、小学校は、その地域の一番いい場所に、立派な校舎が建っています。中には、学校に敷地を寄付する篤志家もいたそうです。武士の子は藩校に、庶民の子は寺子屋にという差別を撤廃し、国民すべてに平等に基礎教育を施すという理想は、政府だけが旗を振っていただけでは、実現しなかったはずです。自覚した国民、地域住民、保護者の協力があったればこそです。
我々PTAは、その140年前のご先祖の正当な継承者なのです。決して、戦後、GHQに押し付けられたのではありません。その証拠に、PTAを名乗らず、戦前からの名称を引き続き使っている小学校があります。我々PTAは、学校の下請けでも、行政の手下でもない。
文科省は、PTAをつぶそうとしているのでしょうか。そうであるなら、我々PTAは、文科省をぶっ潰さなければなりません。ペーパーテストで選別されただけの者が、何を勘違いして、偉そうにしているんだか。彼らの権力の源泉である予算は、我々が払った税金ではないですか。
今回の質問は、区長に対して、PTAをとるのか、文科省をとるのか、踏み絵を踏むことを望むものではありません。ただ、文科省の姿勢一般でも、学校支援地域本部などの個別の施策でもけっこうです。区長におかれて、どのようにお考えなのか、ここだけの話、だれにも言いませんから、本当のところを、こそっと、教えていただけると幸いでございます。よろしくお願いいたします。
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