「品格経営」商売繁盛ニュース vol.5-1 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

牛田 雅志
ブレインリンク・コンサルティング株式会社 
税理士
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「品格経営」商売繁盛ニュース vol.5-1

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商売繁盛ニュース
「品格経営」のヒント
世界中に喜びの種をまくために、「経営者の人格を高め、正しい経営を実践し、その事業を永続的に存続させる」品格経営と黒字経営を推進します。
品格経営のゴールは果てしなく遠いですが、「継続は力なり」を信じて、「ワンミリアクション」で歩みます。

*こどもの経済感覚
某月某日
家族団らんの夕食時、6年生の長女に質問してみました。

私  「ネエネエ。今すぐもらえる100円と1年後の1000円どっちが欲しい?」
長女 「え〜。そりゃもちろん、1年後の1000円。決まってるじゃん。」

当然の回答に安心しました。そこで5年生の次女にも同じ質問をしてみました。

私  「あなたは今の100円と1年後の1000円どっちが欲しい?」
次女 「そりゃ決まってるじゃん。今の100円!!!」
私  「えッ・・・」
次女 「だって、
今すぐ 100円欲しいんだもん!」

次女の金銭感覚に親としては気絶しそうですが、次女は1年後のお金の価値を年率90%で割引き、実際の価値よりも低く見積もる性向にあります。
この経済的性向は利益相反する親の立場で考えると大いに利用できます。
簡単に言うと次女からは簡単にお小遣いを巻き上げることができるということです。
次女に次のような提案をしてみます。

「来年1年間のお小遣い合計6,000円と、今すぐのお小遣い600円、どっちが欲しい?」

 次女の経済的性向である「割引率」から考えると、1年後の貨幣価値は90%超減額されるはずなので、今の600円をとるはずです。
親としては差し引き5400円の得です。1年後に次女が「だまされた〜」と嘆いても後の祭りです。
 
こどもには、
「目の前に欲しいものがあると、将来の価値を実際の価値よりも大幅に割引いて適切な判断ができなくなる」
という経済的性向が見受けられます。


*おとなの経済感覚

「こどもの経済感覚を小難しく解釈して何が言いたいねん?」と思われたでしょう。

私なら牛田さんよりもっと分かり易い例を挙げられるよ・・・
 「禁煙するのが将来身体に良いとわかってるんだけど、目の前にタバコがあると・・・」
 「禁酒するのが将来身体に良いとわかってるんだけど、目の前にビールがあると・・・」
 「ダイエットが将来身体に良いとわかっているんだけど、目の前にチョコレートがあると・・・」

大人においても一緒です。将来の価値は適切に理解しているのだけど、目の前に欲しいものが現れるとなぜか将来の価値が割引かれ適正に判断できなくなってしまうという例はいくつでも挙げられます。

 今、世の中はバブル崩壊の時期よりも深刻な不況になっていると漏らす経営者の方が少なくありません。「まあ、好況もあれば不況もあるさ、ジタバタしても仕方がないよ」と今まで通り冷静に品格経営と商売繁盛の舵取りをされる経営者の方もいらっしゃいますが、地に足つかず浮足立ってくる経営者の方も少なくないと思います。
このように経営が息詰まってくる時、
「将来なら絶対しないと思っていること」 も経営者は 「今」 行ってしまうことがあります。

「与信枠を超えているけど、売れるならどんなものでも納品して来い!」
「お客さんには分からないから手抜きして作っておけ!」
「今なら買いたたけるから、とりあえず購入しとけ!」
「銀行借入をするために大赤字だけど黒字に粉飾しとけ!」
「暴利の金利でも融通手形を発行してでもお金つくってこい!」
「うるさく言ってこない取引先には金支払うな!」
「まず従業員をクビにしろ!」

今なんとかしなきゃ会社がつぶれてしまうという目の前の事象が、「将来なら絶対しないと思っていること」の信念を大幅に割引してしまい、「将来なら絶対しないと思っていること」を今してしまいます。
でも、「将来なら絶対しないと思っていること」を今やってしまうと、他の誰かに簡単に財産を巻き上げられてしまいます(私が次女からお小遣いを簡単に巻き上げることができるように)。

「そんなこと頭じゃわかっちゃいるけど、いざとなったらなりふり構わずやってしまうのが人間ってもんだろ。出来もしない正論振り回しても意味ないで!」とお叱りを受けるかもしれません。

では、目の前の事象に惑わされず、適切に行動できる方法があれば?

実は簡単にできる方法があります。

お客様・従業員・取引先・投資家の皆さんに「守るべき約束」を「宣言」するのです。

経営者が事業を行うにあたり本当に大切にしている価値観、理念及び行動基準を言葉と紙に書いて「公表」するのです。
「もうすでに、守るべき約束は経営理念や社是にまとめて、皆さんに宣言しているから大丈夫だよ!」とおっしゃる経営者の方も多数いらっしゃるでしょう。ただ、この宣言において大切なことは、この「宣言書」に書いてあることを破れば、恥ずかしくて生きていけないと思えるほど魂のこもった自己理念に根ざすものでなくてはならないということです。
「今日から禁煙するぞ〜。」「今日からダイエットだ!」と約束を破ったところで、恥ずかしいとも思わない薄っぺらな「宣言書」とは「覚悟」が違うのです。

この「宣言書」は経営者がパニックを起こさないための、最強の「予防薬」です。 ''

赤字で資金繰りも悪化し経営がパニックに陥ると、冷静な判断ができなくなります。一時的な状況に惑わされ浅はかな行動を取らないためには、ぶれない軸が必要です。宣言書はその最強の予防薬となります。
宣言書に反する行為は、結果として会社の財産に損害を与え、そして何よりも経営者が保持しなくてはならない、お客様からの「信用」、従業員からの「信用」、取引先からの「信用」、投資家からの「信用」をも失墜させます。

また、宣言書は2、3時間考えただけで、パッと創れるものではありません。じっくりじっくり熟成して創り上げるものです。そして、経営の根幹である魂を宣言書に入れるのは経営者として最高に楽しい仕事の一つです。私にもその楽しい仕事に参加させてください。宣言書創りのためなら何時間、いや何日でも喜んでお付き合いいたします。
「魂の宣言書」を一緒に創って、品格経営と商売繁盛に活かしましょう!