「品格経営」商売繁盛ニュース vol.3-2 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

牛田 雅志
ブレインリンク・コンサルティング株式会社 
税理士
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「品格経営」商売繁盛ニュース vol.3-2

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商売繁盛ニュース

「商売繁盛」マーケティング



 現在の事業を加速度的に進化させていくためマーケティング発想を加えませんか。お客様に喜ばれるものを提供するという品格経営理念の上にたてば、マーケティングの思考、ノウハウ及びテクニックは非常に効果的に活用できます。
私個人の経験ですが笑わないでちょっと聞いてください。

 チンより速い野菜炒め定食

某月某日 
 京橋オフィスの裏にあるT店さんは、なんの変哲もない中華料理店です。
初めてその店に行ったのはスタッフからの紹介でした。

スタッフ「牛田さん、すごい店があるんですよ。本当にビックリしますから一緒に来てください」

私   「なにがビックリなの? 特大大盛り焼きそばとか激カラ炒飯くらいならビックリしないよ〜。」

スタッフ「そんなメニューなんかじゃ今時誰も驚きませんよ。来ればわかります。論より証拠で私の後についてきてください!」

そこまで言うのならということで、その日のお昼にお店に行きました。
 かきいれ時なので店内はお客様で満杯です。

店員さん「いらっしゃいませ〜。ご注文は何にしますか?」

私   「僕は野菜炒め定食お願いします」

スタッフ「僕は焼きそばと炒飯お願いします」

店員さんは「はい〜」と答えると奥に引っ込み、「野菜炒めと焼きそば炒飯ね」と厨房に向かって叫んでいます。

私   「珍しいメニューがあるわけでもないし、何がビックリなの?」

スタッフ「まあまあ焦らないで見ててくださいよ」

私   「見てろっていったってこの店に何か驚くものがあるの?値段も普通、調度品も普通、店員さんは中国の方だけど接客態度は普通、特別驚くような店とは思えないよ」

スタッフ「もう牛田さんちょっとうるさいですよ。見ていれば分かるって言ってるでしょ・・・」

とその時、

店員さん「はい、お待ちどうさま、野菜炒め定食ね〜」

私   「エッ! ハ、はや〜、 もう出来たの?」

スタッフ「ほらね。この店凄いでしょ!」

私   「驚いた〜。まだ注文してから1分もたってないやん。この店はどないなってんねん。」

スタッフ「僕も初めてこの中華料理店に来たときあまりの速さにビックリしたんですよ」

私   「立ち食いそばじゃなかろうに、電子レンジでチンするより速く料理ができてる〜」

T店に来て驚くのは注文してから料理がお客様に届くまでの時間がメチャクチャ速いことです。注文前に作り置きしてるんじゃないかと思う程のスピードです。
それからというもの、昼食をする時間がない時は他の店は目に入らず「よし!あの速いとこ行こ」とこのT店に行きます。私の頭の中でT店は「昼食を待たずに食べられる店」とインプットされているのです。

ただ、残念なことにT店はお客様に対して「待たせず食べさせる店」という利点を発信していません。(こんなこと言うとうちの店は味で勝負してんのよと怒られそうですが。)
でも、T店が「リーズナブル価格で味が美味いのは当然、うちはお昼の忙しい時間に待たせないですぐに食べられるわよ!」という旗印を掲げたとき、お昼に時間のない人たちのアンテナに引っかかります。そして、(私がそうであるように)その引き付けられたお客様は選択の余地なしにT店にやってきます。
京橋にはいくつのお店があるのでしょうか?100?1000?それらの競争相手と勝負するとき「リーズナブル価格・美味しい」などの飲食業として当たり前の要素ではお客様は選んでくれません。

お客様に選んでいただくため他の競争相手と比べて(自称)世界一自信をもって提供できる「こだわりの商品・サービス」を持つことが必要です。このこだわりの商品・サービスを持つことにより、そのこだわりに共鳴した人がお客様になります。すべてのお客様に選ばれようとすることは無理な話で、自社のお客様を「誰にするか」をはっきり明確に決めることが大切です。

商売繁盛マーケティングの発想は、
「何を誰に売るのか?」ではなく
「誰に何を売るのか?」と考えます。

京橋で働く人々すべてをお客様と考えるか、その中でもお昼に時間のない人々をお客様として考えるかで、T店が実行すべき内容は劇的に変わります。

私が勝手に考えたT店のセールストーク、
「昼食に時間がない皆さん集合!注文から3分以内でお客様に美味しい中華料理をお出しします。私たちは忙しく働いているお客様に少ない待ち時間で出来立ての美味しい中華料理を楽しんでいただくことを使命にしています。この使命をまっとうするにあたり、もし3分を越えてしまった時は全額お代を返金させていただきます。是非私たちにあなたの貴重な時間を守るお手伝いをさせてください。お待ちしています。謝謝!」

こんな速さにこだわる店があったら、あなたも喜んで食べに行きませんか?