企業・組織の中では、人を育てる資質を兼ね備えていらっしゃる方は大勢います。
しかし、そんな人材育成のプロでさえ、「人を育てることのむずかしさを痛感しております」とおっしゃいます。
特に、シミュレーションに限界のある現場の人材を育成することは、
まさに、そんな悩みと二人三脚であることを、実感させられます。
例えば、「お客様にとっての私たちであろう」と、
接遇研修に力を注ぎます。
あらゆる想定のもと、お客様が真に望むことはなんだろうと、
場面を想定して、どんな行動を起こすことができるか?と考え、実践をします。
ところが、レジスターの扱いを間違えました。
お客様とのやりとりは、すでに終わっているのですが、
レジスターの誤操作を正す方法を知らないので、事後処理のためにお客様を
並ばせてしまう。
レジスターを現実に使って、誤操作させて・・・という訓練を実際に行っている企業は
少ないものです。
なぜならば、訓練用のレジスターを複数台準備できないことと、
ネットワークに繋げたまま、レジスターを誤操作させて訓練して、
それを管理する本部の作業を考えると、
ネットワークにつながない、つまり、非日常的な場面の再現にしかならないから、
現実的な対応訓練の再現にならないわけです。
こんな場合は、その人の無意識な思考が、結果を左右するわけです。
その人が、自分の失敗が許せない人なら、お客様のためにどうするか?という訓練は生かされず、
自分の失敗を早く解決することに思考が働いてしまい、
店の中にいた、すべてのお客様の会計処理が後回しにされるわけです。
「そんなとき」の対応まで、訓練が必要ですか?と企業内研修担当者の質問をいただきます。
今の時代は、価値観が多様化しているから、「訓練の必要あり」なのです。
ところが、もっと緊急の対応を強いられる現場のための訓練はどうか?
シミュレーションできない現場はたくさんあります。
例えば、医療や介護の世界です。
予期せぬことがほぼ9割。それが現実です。
教育は、理想の追求です。
現場は、現実なのです。
理想を追求することは大切です。
常に、もっと良くなるために、良くするためにどうするか?を考えながら、
わたしたちは、発展してきたわけですから、歩みを止めるわけにはいきません。
しかし、現実との狭間で、失望することも事実です。
どうすることもできない無力感や、喪失感に駆られることも事実です。
では、どうするか?
すべてを解決するわけではありませんが、
1つは、コミュニケーションを使ってサポートすることです。
1つは、お手本となって見せることです。
人は、自分が重要視されていることを実感したら、心が強くなります。
あなたは大切なわたしたちの仲間。
そんなことを感じてもらえるメッセージや方法を考えてみてくださいね。
このコラムの執筆専門家
- 竹内 和美
- (研修講師)
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
実践型研修で、結果が即・行動に現れます
ビジネススキルに不可欠なコミュニケーション力。ますます重要な「聴く力」「話す力」「論理的に考える力」を高める研修はじめ、企業研修の内製化のコンサルティング、人事政策のアドバイスなど、人事に関する総合的なご支援をしています。
「プロとして生きる! キャリアを磨こう」のコラム
弾丸で美容室へ 61歳のつぶやきはこれ!(2024/03/27 20:03)
おごれるもの久しからず 61歳のつぶやきはこれ!(2024/03/26 11:03)
ネコ踏んでないけど、食べちゃいました 61歳のつぶやきはこれ!(2024/03/25 10:03)
わ~い独りです 61歳のつぶやきはこれ!(2024/03/24 14:03)
朝ごはん付ホテル安いです 61歳のつぶやきはこれ!(2024/03/22 09:03)
このコラムに類似したコラム
リーダーを育てる「“適度な”権限委譲」 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2017/09/19 08:00)
「売上を伸ばし続ける店長」がしているPDCAのまわし方:その67 松下 雅憲 - 店長育成・販売促進ナビゲーター(2014/09/03 05:45)
流れを意識したコミュニケーション 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2014/02/24 06:34)
ビジネス現場におけるファシリテーション力の強化 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2012/10/08 10:23)
厚労省研究会が報告、地域雇用の創出に「観光」と人材育成支援! 田原 洋樹 - 人材育成コンサルタント(2012/07/23 20:09)