日本でインターナショナルスクールを卒業、その後日本で大学・大学院に進むか、カナダで進学するかを迷っている方から質問をいただきました。
迷う理由は:
1. 卒業後の就職がどちらが有利になるかを計りかねている
2. どちらが楽しい学生生活が送れるか
だそうです。
何かが違うという気がしませんか?
病的に内向きな日本の若者の姿が見えて来ます。
日本のように小さな島国で生まれ育った若者は、必ず数年間は、広い世界でもまれ、勉強も含め様々な体験をすることが必須だと思います。
なのに、みんな非常に狭い視野で自分の未来を考えてしまうのはなぜでしょうか。
特に今回の質問は、日本にいながらインターナショナルスクールに通った方からだけに、不思議な現象だという思いが強いです。
大学とは?
「就職するため」に行くところでしょうか?
「楽しい生活を送る」ために行くところでしょうか?
大学は:
自分の特性・能力を専門的に勉強し、プロフェッショナルとしてのスキルを身につける場所ですね。
その結果、その能力・スキルを生かせる有意義な仕事につける可能性が高まりますし、自分に合った勉強をすることで、勉強に対する自主的動機付けが生まれ、満足する生活が送れると思います。
大学に行く「目的」が「将来の就職」「楽しい生活(日本の大学でよくみられるサークル活動?飲み会?の類でしょうか?)」という思い込みは実にさみしい限りです。
残念ながら、日本の若者が世界で通用しない現状そのままを現していると思います。
多くの心理学者がリサーチで証明していることがあります。
「幸せ」とは何から生まれるか、です。
1. Autonomy (自分のことは自分で決定する能力)
自分のやりたいことがあれば、自分で決めて行動できる能力。
会社や上司の言いなりになるではなく、自分の意見を持ち、それを実行に移せること。
2. Competence (他より優れた能力を持つ)
一番のAutonomy はこれなしには手に入りません。
優れた能力があるからこそ、自分のやることを自分で決めることが出来ます。
3. Self-esteem (高い自己評価)
1・2番が可能になると、もちろん自分に対して大きな自信が出来ます。
4. Relatedness (つながり)
友達が多いとかの人のつながりではありません。
自分が今やっていることが、将来の自分とつながっているという自覚です。
例えば高校で勉強していることが自分の将来とどうつながるのか?
大学で勉強することがその先の自分とどうつながるのかとビジョンがあること。
この4つが「幸せ」な人生を送ることが出来る大切な要素です。
日本か、カナダかの大学選びにこの「幸せ」要素を加えてみて下さい。
どちらの国の大学、教育制度、社会の考え方があなたを「幸せな未来」に導いてくれそうですか?
気分が悪くなるほど勉強する必要のあるカナダの大学。
「勉強しない大学生」と世界でも悪名高い日本の大学
完全なプロフェッショナルとしての教育をしてくれるカナダの大学。
特に高いレベルの専門知識がつくわけでもない日本の大学。
社会全体のSelf-esteem が非常に高いカナダ。
世界でもほぼ最下位のSelf-esteem の日本。
このグラフを見て下さい。
カナダに行った日本人のSelf-esteem がわずか7か月で急激に高くなるのがわかります。
逆に日本に来たカナダ人は、この短期間にSelf-esteem がど~んと低くなっています。
個々の優れた能力を伸ばすことを第一義だと考える社会文化と、集団の中に埋没することを要求する文化の違いがよく現れていると思います。
大学を単なる4年間のことと考えず、その先の長い長い人生の一部だと理解し、賢明な選択をなさってください。
ひとりの大切な個人として、自分だけの人生きたいですか?
集団の中のひとりとして、みんなと同じ人生を送りたいですか?
Good luck.
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カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの基本が出来た生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club(大澤眞知子、Robert McMillan)
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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