- みき いちたろう
- ブリーフセラピー・カウンセリング・センター
- 大阪府
- 心理カウンセラー
対象:心の病気・カウンセリング
- 斉藤ヒカル
- (潜在意識セラピスト)
- 快眠コーディネイター 力田 正明
- (快眠コーディネイター)
こんにちは,心理カウンセラーの三城 いちたろう です。
今回のコラムでは,セラピーや,カウンセリングの効果を決める要因は何かについて,記してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
悩みを解決するにあたって,そして,具体的に取り組む前にとても大切なことがあります。
それは,悩みの解決の効果,成否は,手法,技法よりも実は「人間観」によって左右される,ということです。
どのような「人間観」を持つ人に関わってもらうか,また自分自身もどういう「人間観」を前提とするかによって効果は全く異なってきます。
「人間観」というととても壮大なように見えますが,基本的な前提とでもお考えいただけるといいかと思います。
例えば,
「人間というのは不完全な存在で,努力・改善によって自己を啓発していくものだ」
という前提(「人間観」)で取り組んでいる場合,うまくいっている場合はいいですが,問題が深くなっていき,あなたの存在そのもの,アイデンティティに関わるような深い部分へのアプローチが必要になっていった場合,「不完全な存在」という前提が逆に邪魔をし始めます。
頑張れば頑張るほど,「人間というのは不完全な存在」という前提が強化され,自分の存在を肯定しきることができなってしまうのです。
最悪は,それまでの効果が全てリバウンドする,といったことさえ起きます。
私たちは自分に対して厳しく,謙虚であることを暗黙の美徳としている場合が多いので,こうした前提でカウンセリングやコーチングなどに取り組む方はとても多いのです。
一方,「人間は本来完全です」「改善に努力は必要ない」という考えを前提(「人間観」)としている場合はどうでしょうか?,取り掛かりは遅いように見えても,完全に自分を肯定する,という最終的なゴールには適しています。リバウンドも考えにくいでしょう。
このように,どうした前提で取り組むかで効果は全く異なってくるのです。
どういった前提で取り組むのか,ここはとても大切ですから,皆様も今一度,自分自身や,カウンセラーのもつ前提(「人間観」)を確認してみることはとても大切なことです。
⇒人間とはどういう存在と考えていますか?
⇒悩みはなぜ起きていると考えていますか?
確認してみてください。
参考までに,
ランバート という研究者が,長年のカウンセリングや心理療法に関する効果を分析した結果(Lambert,1992)です。
その結果,下記のようになったそうです。
1.クライアント自身や状況などの個人的な要因(40%)
2.カウンセラーとクライアントの関係性に関わる要因(30%)
3.技法に関わる要因(15%)
4.クライアントの期待に関わる要因(15%)
ここで注目したいのは,技法に関わる要因がわずか,15%しかないということで,普段手法にこだわりがちな私たちにとっては,驚きの結果ではないでしょうか?
※弊会では,1,2の背景に「人間観」の要因がとても大きいと考えています。(カウンセリングを行っている人であれば,結局そこに行き着くのではないでしょうか?)
Lambert,M.J.,1992."Psychotherapy Outcome Research:Implications for Integrative and Eclectic Therapists." In Norcross,J.C.,&Goldfried,M.R.,eds.,Handbook of Psychotherapy Integration.Basic Books.
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