「いやあ~、こういう言い方したら怒られるかも知れませんが、私は仕事が趣味なんです。仕事をしているときが何よりも楽しいんです。」
こう答えてくれたのは、あるハンバーガーチェーン店の店長です。彼は、入社10年。店長になって6年の中堅店長です。去年、新店のオープンを任され、その店を軌道に乗せるために朝から晩までそれこそ四六時中働いています。
そんな彼に、ある雑誌の記者がインタビューをしました。テーマは「仕事人のOFFと趣味」
「とても元気なチェーン店で、高い業績を上げている優秀な店長って、休日などはどう過ごしているんですか?また、どんな趣味をお持ちなんでしょうか?」
記者からこう聴かれた店長は、ちょっと困った表情をしながら答えました。
「完全な休みはこの2年間はまったく取っていません。シフト上は休みでも、店で行うイベントの準備をしたり、ホームセンターに買い物に行ったり、アルバイトのスケジュールを作ったり、毎日、何かしらの仕事をしていますね。」
そして、趣味については、冒頭の様に答えたのです。
驚いた記者は、質問を続けました。
「え?仕事が趣味ですって?なんだか昔のモーレツ社員みたいな感じですね。それで、奥さんは何とも言わないんですか?」
「あはは、確かに24時間、365日仕事をしているか仕事に関することを考えていますからね。お正月もお盆もありません。奥さんですか?彼女も私の趣味に巻き込んじゃっていますね。ホームセンターに行くのにもついてきてもらっているし、イベントの手伝いもしてもらっているし、もちろんバイト代は出ませんけどね。先週は、アルバイト募集のポスター貼りを一日中手伝ってもらいました。結構楽しそうに手伝ってくれていますよ。たぶんね。」
「なるほど、すごいですね。でも、最近は、仕事とは全然関係のない趣味を持つ方が仕事の幅が広がるとか、仕事を忘れて完全リフレッシュをした方が仕事の生産性が上がると言われていますよね。そう言う考え方についてはどういう風にお考えですか?」と記者。
「きっとそう言う風にしたら、新しいアイデアが生まれるかも知れないし、仕事のストレスを解消することも出来るかも知れませんね。でも、私は、仕事のアイデアは仕事の中や、他社や他店の事例の中から見つけ出し、参考にするのが好きなのです。だから趣味と言うようにしているんです。シフトに入らないときは、競合店や同じチェーンの店を見に行くんです。もちろん、奥さんを連れてね。完全リフレッシュについても、ストレス解消に良いと言われますが、私は仕事のストレスは仕事の中でしか解消できないタチなんです。だって、一度忘れても、解決していないストレス要因は、仕事に戻ったとたんにまた目の前に現れるんですよ。だったら、仕事で解決した方がストレス解消になると思いませんかね~。」店長は笑いながら答えました。
「仕事以外の趣味を持つ」
「仕事そのものを趣味にする」
どちらも、その効果はひとそれぞれだと思います。だからどちらが良いとは言いません。
しかし、どちらにしても、仕事の生産性を上げ、成果を高めて行かないと仕事人としては成長できません。
仕事人としての成長が、個人としての成長と同じでありたいのかどうかについては、その個人個人の考えで構わないのです。
冒頭の店長は、その後、スーパーバイザーになり、その後、そのスーパーバイザーを統括する幹部に昇格していきました。しかし、自分の仕事にと趣味に関する考えは、部下には強要したり薦めたりはしていませんでした。
「だって、ゴルフ好きな人は、スコアを上げるための戦略や、コース上での心理コントロールなどを仕事に活かしていますからね。私は、パソコン好きなのでそれを仕事に活かしているだけなんです。一緒ですよ。」
さて、あなたの趣味は何ですか?
それは、仕事や人生にどう活かされていますか?
それはきっと、今のあなたの成長と密接に関係していることでしょう。
ぜひ、一度あなたのお話しを聴かせて下さい。
楽しみにしています。
ちなみに、この記者からの取材結果は、記事にはならずボツになったそうです。残念!
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