「真剣に聴いてもらえているように感じたから、もっと聴いてもらいたいと思ったんです。」
ある新人店長が店長を務める店の「従業員満足度調査」の自由意見欄に「店長は、私の話を真剣に聴いてくれます。今までの店長には話せなかったことも、○○店長には話せるんです。」と書かれていたことに興味を持った上司であるスーパーバイザーは、その店を訪問し、数名のスタッフに「店長はどんな風に話を聴いているのか?」について尋ねてみました。
もちろん、従業員満足度調査では、誰がそのコメントを書いたかはわかりません。しかし、同じようなコメントは、他のスタッフにも見られたので、多くのスタッフが同じように感じているだろうと思ったのです。
スーパーバイザーの読みは当たっていました。数名のスタッフ全員が、冒頭の様に「店長の聴く姿勢の真剣さ」について声をそろえて答えたのです。
スタッフ達は、「店長は、真剣な顔で聴いて下さいます。話がまとまっていなくて長くなっても、途中で訳がわからなくなっても、最後まで聴いて下さいます。だから安心して、いくらでも話せるんです。」と、店長の聴く態度、姿勢について答えてくれました。
私たちが人の話を聴くとき、この店長のように「真剣に聴く」つもりでいても、相手には「真剣には聴いていない」ように受け取られることがあります。たとえば・・・
1)話を聴いているときに他のことに気を取られる
2)話の途中で、口を挟んでくる
3)すぐに質問をしようとする
4)首をかしげて疑問があるような表情をする
5)「へえ~」ではなく「ふ~ん」と言っている様に感じる
6)早く終わらないか焦っているように感じる
7)つまらなそうな表情に見える
などなど・・・自分で書いていて胸が痛くなるような「話し手の気持ち」が、そこにはあります。
これは、聴き手の態度が、必ずしも本音・本心ではなくても、相手にはそう感じてしまうような「微妙な態度」がそこにあるからです。これに対しては、
「え~、全然そんな風には思っていないのに・・・思い違いだよな~」と言う人もいるでしょう。
でも、現に相手はそう思っているのです。これは、「何故そう思ってしまうのか?」をもう少し深掘りして、相手軸に立って考えてみれば答えが見えてきます。
相手、例えば部下やスタッフや恋人が、あなたに話を聴いて欲しいと思うとき。その時の相手の気持ちや心理はどういう状態なのでしょうか?
「嬉しくて話を聴いて欲しい」「悲しいので聴いて欲しい」「辛いので聴いてほしい」「腹が立つので聴いて欲しい」など、ちょっと平常心とはテンションが違うのです。しかし、聴き手のテンションはいつもと同じ。その差が「相手の話を理解する事についての障害」となります。つまり、すぐには理解出来ないのです。にも関わらず、私たちはそれを何とか理解しようとします。そこに無理が生じるのです。
相手は、「今すぐに理解して共感して欲しい」と言うよりは、「ひとまず話を聴いて欲しい」のです。「理解、共感」はその後でも良いのです。
まあ、わかったような言い方をしていますが、私もしょっちゅうこのワナに落ちています。すぐに理解してすぐに自分の意見を言おうとするのです。(コーチ失格です・・・(>_<;))
「まず聴く」「ひたすら聴く」「最後まで聴く」「相手がスッキリするまで聴く」「とにかく聴く」
感じたことや、考えた事については、相手が望めばその後に言えば良いのです。
では、どうすれば、ただひたすら聴けるようになるのでしょうか?
ちょっと長くなったので、それはまた明日!
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