「なかなかスタッフが思い通りに動いてくれません。私のリーダーシップに何か問題があるんでしょうか?」
と、ある店長が、上司であるマネジャーに部下の扱いについて相談をしました。すると、マネジャーは、店長が思ってもいなかった言葉を返したのです。
「店長、、、あなたも、私の思うとおりには動いていませんよ(笑)」
「え?そうなんですか?私、結構言うこと聴いていると思っているんですが・・・」
「あはは、まあ半分くらいかなあ~でも、こうしてくれたら良いなあ~とは思うけれど、こうするべきだとは思ってはいないから、半分くらいで十分だと思っているよ。」
店長は、一瞬、マネジャーの言った意味がわかりませんでした。「こうしてくれたら良いな」とは思うけれど「こうするべきだ」とは思わない・・・店長は、逆じゃ無いのか?むしろ上司って部下に対して「こうするべきだ」と思う方が良いのでは無いか?と思ったのです。でも、マネジャーの言っているのはその反対・・・
店長が、マネジャーの言葉の意味を考えていると、マネジャーは店長に質問を投げかけて来ました。
「店長にとって、スタッフを思い通りに動かすというのは、スタッフをあなたの手足のように使う、そんなイメージに聞こえるんですが、そうなんですか?」
「はい、そうです。私の言うとおりにビシッと動いてくれたら、ピーク時もビシッと廻るし、売上げももっと上がるはずです。でも、彼らはなかなかそういう風に動いてくれないんです。何考えているんでしょうか?」
マネジャーは、ニコニコしながら次の質問をしました。
「では、スタッフが、自分達で考えて好きなように動いたらどうなりますか?」
「そうですね、それが私と同じ考えならば、とても楽だし嬉しいですね。いちいち言わなくても良いし、今のように悩まなくて済みますね。でも、好きなようにされて全然私と考えが違っていたら、逆に大変になります。」
「楽な状態になるのと、大変な状態になるのとどっちの可能性が高いんでしょうね?」
「さあ、それは、彼らに聴いてみないとわかりませんね・・・」
「あれ?まだ聴いていないんですか?聴いていないのに、全然違うことをしそうな気がしているんですか?」
「あ・・・」
マネジャーから聴かれた質問に店長は絶句してしまいました。そもそも、「自分の思い通りに部下を動かそう」と考えるから、無理に動かそうとする力が入ってしまうのです。そして、「部下は自分とは同じ考えではない」と勝手に決めつけているのです。「指示をしても動かない」のは、決して同じ考えではないと言うことではありません。無理な力が掛かっているから、部下がしたくなくなっているだけなのです。
目的は、お客様に満足してもらうために部下に良い仕事をしてもらえば良いのです。確かにその方法はあなたの言うとおりにやった方が上手く行くのでしょう。でも、部下も考えているのです。部下が考えていないように感じるのはあなたが先に力ずくで説得しようとしているからに過ぎません。力業には反発するものなのです。
「まずは、部下の考えを聴いてごらん。そして、どこがあなたと違っていて、どこが一緒なのかを分析してごらん。180度違うことを考えているわけでも無いと思うよ。たとえ、効率が悪い方法を考えていても、ひとまずさせてみれば良いじゃん。そこから学ぶこともあると思うよ。」とマネジャー。
「そうですね・・・そう言えば、私もマネジャーのおっしゃっていることについて、自分なりの方法でやっていますものね。」
「お、気がついていましたか(笑)」
2014年のリーダー像は、「相手を尊重すること」「相手の立場を考えること」で、「相手の主導権を奪わず」「相手の主体性を尊重する」スタイルが主流になります。今から活躍する若い世代は、そのようなリーダーの元で一番力を発揮するのです。
力尽くで、思い通りに動かそうとしてはいけません。
部下がしたいようにさせてみればいいのです。
何かをアドバイスするのならば、それからで十分です。
あわてないあわてない。
部下を育てるには、時間と経験が必要なのですよ。
あなたが育つのと同じようにね。
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