- 辻 良史
- 筑波大学発ベンチャー(株)サイバー・ヨガ研究所 代表取締役
- 東京都
- 博士(体育科学)
火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
本日は,「禅道会」様でのピークパフォーマンス介入研究5回目でした.
朝の通勤ラッシュを避けるために,早めに家を出てコーヒーを飲みながら時間を潰しています.
介入時間になると,選手の方々が道場に来られます.
科学的にリラクセーション状態にする呼吸法である「心拍変動」や,脳のトレーニングである「ニューロフィードバック」は一人ひとり行います.
トレーニング設定が選手ごとに異なるからです.
海外の脳波研究の先生にもトレーニング結果をフィードバックし,それについてのアドバイスを頂いています.
生理学的にメンタルは,良い状態に向かっています.
ですので,トレーニング内容もどんどん発展してきます.
ただ,どのトレーニングも基本が一番大切です.
飽きてくると新しいことにどんどん目が奪われてきますが,何事も掘り下げるととても深い世界が存在します.
ヨガにしても心拍変動にしても,ニューロフィードバックにしてもです.
どのアスリートも本番で平常心でいられるかを常に心配していると思います.
それは,本番までにメンタルの準備を行っていないために起こってきます.
本番は,メンタルコントロールに注意を払うのではなく,競技に集中すべきだと思います.
難しいですが,勝敗ではなく,競技を行っている自分を客観視するイメージです.
「ゾーン(ピークパフォーマンス)」はそういうメンタリティーです.
ニューロフィードバックを終えると,皆でヨガをして,注意すべきポイントなどを復習していきます.
↑同時進行で皆,別々のことを行ったりします.
これは,ヨーガ・セラピーの臨床現場では当然のように行われます.
そして,重要なのはポーズの形ではなく,内面への意識作用です.
ヨガは刺激がマイルドになればなるほど,集中力や感受性が必要になってきます.
筋肉やパワーにしか目が行かないと,年齢とともに必ずパフォーマンスは低下していってしまいます.
しかし,意識の向上は無限大です.
クンダリーニの覚醒による意識の飛躍にも是非トライしてもらいたいと思います.
相手の意識を読む「観の目」,これは⑥番目(眉間),⑦番目(頭頂)のチャクラが関わってきます.
「観の目」の獲得には,クンダリー二の覚醒は不可欠ですし,それがないと動体視力に頼った「見の目」になってしまいます.
「見の目」は,年齢の低下とともに必ず弱まっていきます.
ちなみに,ヒマラヤのヨガ行者は,第三の目で遠くまでを霊視できたそうです.
第三の目についてブログを書いていましたら,「禅道会」代表の小沢先生から,
「武道の心理学入門 ~ 己を見つめる 第三の眼を獲得せよ!」という先生のご著書が送られてきました.
とてもタイムリーで驚いております.
内容は,無意識を中心とした心理学的領域を先生の武道観で解説されています.
今,ざっくりと読ませていただいている状態ですが,自分のヨガと武道に対する考えといくつもの共通点を発見しました.
小沢先生,誠にありがとうございます.
じっくり読ませていただきます.
…身体を使った教育ってとても大切だと思いますね.
最近はヨガに関する論文もたくさん増えてきて,それを基にヨガに関する科学的な知識,見解は得られると思います.
しかし,論文だけを読み,自分自身がヨガを体験しなければ,経験による学び,発見は永遠に得られません.
スマートフォンで知識をインプットしても生きる知恵にはなりえないのと同じです.
スマートフォンの登場により,昔に比べ,得られる知識の量は圧倒的に増えましたが,現代人が昔の人よりも賢いかというと全くそうは思えません.
知識をインプットする時間が増えた分,考える時間が比例するように減ってきているのだと思います.
私ができることは古代人が残してくれたヨガを進化発展させることだと思います.
元々,「無敗脳ヨガ」は,戦国時代のような動乱の時代でも役立つヨガ・プログラムの開発をコンセプトにしていました.
ですので,常にリアルな世界でヨガを役立たせたい気持ちが強いのだと思います.
スタジオ系のヨガは,副交感神経の働きを高め,リラクセーションや健康増進にはとても有効的だと思います.
ただ,競技スポーツ分野のような強いプレッシャー下で結果を求められるような分野にはあまり適しているとはいえません.
健康増進を目的としたヨガと,競技力向上を目的としたヨガは本来,同じである方が無理があるのです.
それは,健康目的でボクシングジムに入会した人と,プロボクサー志望でジムに入会した人のトレーニング内容が大きく異なるのと同じです.
健康増進と競技スポーツのどちらが優れているとかではなく,目的が異なるということです.
競技に向けたトレーニングが,健康的かと言われれば,必ずしもそうではないですよね?
ヨガの世界には,競技スポーツ分野に特化したヨガがないのが現状なのです.
私が望むのは,「サイバー・ヨガ」の進化とともにデバイスの進化です.
知識のインプットといったアプリケーションの活用ではなく,
人間というハードを一つのツールで高められるそんなデバイスが欲しいですね.
自律神経,脳,五感,メンタル,快適度,ストレス耐性…
…こういった人間のハード面向上を目的としたツールです.
デバイスの進化とともに「サイバーヨガ」も進化・発展させていきたいと思います.
東京都 港区 田町/三田【無敗脳ヨガ道場】辻でした.
⇒「サイバー・ヨガ 」ブログ
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