事故現場では現在も、毎日大量の汚染水流出が続いています。この現状で、まるで何もなかったかのように原発を再開してよいのか。意見は二分していますが、都民に問いかけることは決して悪いことではないです。このような問題が発生したときわたしが問題に思うのは、自分の意見に都合のよい情報ばかりに接する人が多いことです。
日本経済にとって、CO2を出さず、目先の費用が安い原発は再開するしかないという意見。反対に、もし再度事故が起きたら、日本の財政や経済は立ち直ることができない。それに、溜まり続ける核燃料廃棄物の処分ができず、全国の原発施設には溢れ始めている現状では、再開できないという意見もあります。
この双方の意見を考え合わせてから判断しないと、一方的に自分の都合ばかりを考えて判断すると、世論は二分しますし、その後の収束がたいへん難しいことになります。特に、今会社勤めをしている人は、自分の意見以上に会社の利益に結びつけて考えますから、判断は難しくなると思います。
これが原発問題ではなく、自分の起業に対してならどうでしょう? 多く見かけるのは、これまでにない新しい製品開発をした起業家が、製品開発ばかりに関心をもって、販売にはあまり関心がないようなケースです。「よい製品を開発したなら、間違いなくその製品は売れる」と信じている人です。
このような起業では、その大半が失敗しています。製品に自信があるなら、販売やお客さんニーズにも関心を向けないと、自己満足で起業が終わってしまいます。反対に、販売に自信があって起業する人は、何でも売れる、「製品を入れない空箱でも売れる」と自慢している人さえいました。
やはりビジネスではバランスが大事です。他人よりも自慢のスキルのある人ほど、このバランスを重視しないと、大きな失敗を犯します。特に、起業での得意分野を持つ人ほど、「上手の手から水が漏る」の例え通り、間違ったことをしがちです。自分に都合のよい情報ばかりを集めず、苦手なことや賛成できないことにも目を向け冷静に考えてください。
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