「この街のランドマークになるような建物を」それがクライアントからの要望でした。
家同士の壁がギリギリに建ち並ぶ住宅密集地、風が抜ける隙間すらなく、高密度でひしめきあう、老朽化した住宅群。
建ペイ率50%のこの地域には、敷地いっぱいに建った現在では既存不適格の建物が、 所狭しと立ち並んでいる。
これらは数十年前、開発とともに一度期に建ち上がった住宅群。
それらは軒並み老朽化しており、近々一斉に建て替えの時期にはいると予想できる。
建て替えによって、この街は、建坪率50%、容積率100%を守った街に生まれ変わるだろう。
この街がどんな風に生まれ変わるのか、その口火を切る最初の建て替えとなる。
そこで提案したいのは、街に風の道をつくること。
建物を北側に寄せたり、隣地境界に50cmの中途半端な隙間を空けるのではなく、めいっぱい道路に寄せて建てる。
それぞれが接道する側に寄せることで、隣地の境界には少し大きな空きができる。
路地と平行に南北に伸びる風の道をつくること、これから始まろうとしている、新しい街づくりに、この街が生まれ変わるその布石として、ここにモデルケースとして、エアポケットの提案する事が、ちいさな小さなランドマークの役割だと考えた。
※詳しくはこちら
■data
設計:survival design 須永豪
設計期間:2003年12月
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦・子供
規模:地上2階+地下1階
敷地面積:39.79m2(12.09坪)
建築面積:19.82m2(5.99坪)
建ぺい率:49.81%(許容50%)
1F床面積:19.82m2(5.99坪)
2F床面積:19.82m2(5.99坪)
B1F床面積:19.82m2(5.99坪)
延床面積:59.46m2(17.98坪)
容積率:73.33%(許容100%)
施工床面積:74.51m2(22.53坪)
予算:1800万円(80万円/坪)
このコラムの執筆専門家
- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
響きあう木の空間
森や山と人、地球が健全に回っていく様子を見届けたい。 木を街に届け人の営みに森をもたらし木が、森が、地球が、生命が、人が、そして星々や宇宙までもが響あいはじめるそんな木の建築空間宇宙の意図が起動する響きあう木の空間をつくろう
「Works・・・作品紹介」のコラム
居場所の家(2005/11/21 04:11)
森に浮かぶ家(2005/11/21 04:11)
朝の家(2005/11/21 04:11)
HAKA to SOLA(2005/11/21 04:11)
S-House(2005/11/21 04:11)