夫婦と、奥さんの母親の、2世帯住宅。
両世帯が気兼ねなく、かといって疎遠ではない関係が保てること。ホームエレベーターを将来設置するためのスペースを確保すること。
2台分の駐車スペースを確保すること。
旦那さんの夢であったホームシアターを、家族のコミュニティスペースに設置し、好きなロックのライブビデオを浴びるほど観たい。
以上が要求されたプログラムであった。
この辺りの宅地区画は、方位と約45度ズレていて、この敷地の隣は、南東側と南西側が建物の無い空地(くうち)になっている。
そして建蔽率は40%、つまりこの敷地の半分以上は建物ではない部分となる。
そこで配置計画では、空地と建物とで、チェス版のような市松の配置にした。
通風・採光のための庭をとり、庭は隣の空地との関係から、引きが一番取れる条件の良い南東にし、駐車場はその逆の北西に配置した。
南東の庭は2階から地下まで、3層が共有するライトコート。
ライトコートの隣戸との境には、目隠しを兼ねた壁(スクリーンウォール)をたて、その壁にリビングからプロジェクターを照射する。
屋外のスクリーンを、リビングのソファから見る。
それはドライブインシアターのような体験。
地下のテラスにイスを持ち出して、夕涼みの上映会もなかなかのものだろう。
※詳しくはこちら
■data
設計:survival design 須永豪
設計期間:2003年02月
主要用途:専用住宅
家族構成:夫婦・子供(予定)+母
規模:地上2階+地下1階
敷地面積:117.50m2(35.54坪)
建築面積:43.09m2(13.03坪)
建ぺい率:36.67%(許容40%)
1F床面積:43.09m2(13.03坪)
2F床面積:43.09m2(13.03坪)
B1F床面積:43.09m2(13.03坪)
延床面積:168.00m2(50.81坪)
容積率:73.33%(許容80%)
予定工事費:3000万円
このコラムの執筆専門家

- 須永 豪
- (長野県 / 建築家)
- 須永豪・サバイバルデザイン
人間らしい「サバイバル」ってなんだろう?
安心して寄り掛かれるおおきな木のような存在感と、ジャングルジムのような自由さと、楽器のような豊かな響きがある空間。そういうものを、木でつくりたい。
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