違反容疑は容積率違反。しかし問題はそれだけでは納まらない。
8階建てで申請したマンションを実際は10階建てに。しかも、8階建て分の構造計算しかしていないと云う。そんなマンションが複数棟あり、その業者が管理している住戸数は400を超える。
当然、8階建ての構造計算しか、していないのに実際は10階建っているのだから、建物全体に単純に考えても2割の荷重が余分に掛かっていることになる。
地震等の短期荷重の為に、長期的に維持出来る耐力の1.5倍程の耐力を見込んでいるから、直ぐに危険だとは素人では判らない。変に揺れるわけでもなく、建具が締り難くなる訳でもなく、ミシミシ音がする訳でもない。
しかし、今回中国で起こった様な地震が来ると間違いなく倒壊する。築後20年を越えるマンションも含まれており、阪神大震災を乗り越えた事になるが、それはラッキーでしかない。
地震の為に備えている耐力を平常時に使っているマンションなのだ。
しかも、これは対岸の火事ではない。今から20年前だと容積率違反は日常的に行われていた。中古不動産を買う気になって、調べると直ぐに判る事だが、完了検査済み書の無い物件が殆どだろう。
20年前の完了検査受験率は多分2割に届いていないと思う。
法はあっても、罰則規定がない、云わばザル法だったのだ。
これは、建物の大小に係わらない。全ての建物に云える事です。貴方の住んでいる建物の完了検査済み書を見た事がありますか?
確認申請を行わずに、増築工事をしていませんか?
それらの、全ての物件に、容積違反(構造違反)の疑いがあります。
このコラムの執筆専門家

- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
06-6714-6693
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