新大学設立は、文部官僚の一存で決められるはずなのに、宮城県の村井知事は安倍首相に面会して、医学系大学の設立を要望しました。静岡県も医科大設立を希望しています。他の学部と違って、医学部だけは簡単には設立できない事情があります。毎年新たな大学が設立されているのに、医学部だけは1979年の琉球大学を最後に新設されていません。
表向きの理由は、医学部を乱立させ医師を増やすことによって、医師の質を低下させて、国民の安全に係わると言うものです。裏の理由は、医師が増えると既存の医師の収入が減るからです。わが国の財政負担を大きくしている医療費増大とは、医師や医療関係者の人件費が多くを占めています。
もし医師の質を低下させたくないのなら、医師国家試験のペーパーや実技の試験を難しくすることで済むことです。現在のように、地方や過疎地で医師不足が深刻になり、国民の安全が保たれないくらい医師のいない地方が生まれているのは、政治家や厚生官僚の怠慢としか言いようがありません。
現在は、大都市圏を除きますと、医療施設同士の競争は他の産業と比べて格段に少ない状態です。そのため、収益につながる医療技術ばかりが進歩していますが、医療関係のサービスはお粗末の一言です。また、国民の安全のための予防医学も、費用のかからないサービスはほとんど実施されていません。
日本経済のパイは、GDPが500兆円の状態がここ20年近く続いています。ほぼパイは同じなのに、医療費だけは年々増えています。日本経済を再建するためには、多くの起業が必要と判っていても、ほとんど資金は回っていません。日本の優秀な頭脳を集めた日本医師会です。自分たちの収益ばかり考えていると、金づるの日本経済が倒れることは知っているはずです。
【一言】
米国の財政は、オバマ政権と共和党によるチキンレースの様相を帯びてきました。歴代民主党政権の念願だった、国民皆保険を米国に根付かせたいオバマ大統領。小さな政府を維持させるためにも、保険は個人に任せるべきと考える共和党です。もし10月17日までに解決しないと、今度はデフォルト(債務不履行)に陥ります。デフォルトになると、どんなことが起こるのか明日書きます。
このコラムに類似したコラム
「成功者のパターンとは」 松井 千恵美 - インストラクター養成/起業コンサルタント(2019/06/22 23:56)
官僚には言われたくない、起業リスクを取る取らない 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2014/04/23 20:37)
準備不足による起業の失敗は後を引きます 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2014/04/22 20:49)
最強の営業ツール、営業の切り札 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2014/03/11 20:40)
起業アイデアを生むための努力をするなら 中山おさひろ - 起業コンサルタント(2014/03/07 20:48)