【住宅の安全性能を考える】の続編です。
4. 住み手の高齢化への対策
次は、誰にも避けられない住み手の高齢化です。住宅内事故の内訳を見ると、70才以上が全体の約4割と圧倒的に多く、事故の種類では、転倒が全体の半分近くをしめています。年をとるにつれて、住宅は危険な場所となっていくのです。転倒を防ぐために重要なのが、小さな段差も含め、足先が引っかかるような床段差をなくすことです。床をいじる工事を後からするのは大変ですので、新築時にこの点は実現しておきたいものです。
転倒防止に有効なのが手すりです。玄関、廊下、階段やトイレ、浴室など、移動したり立ったり座ったりする場所には、最初は手摺を付けなくとも、将来、手摺を付けられるように壁に下地をいれておくといいでしょう。
また、扉の付け方にも注意が必要です。たとえばトイレの扉を内開きにすると中で倒れたとき外からあけられなくなるため、外開きか引き戸が望ましいです。トイレと洗面脱衣室を1箇所にまとめ、将来車いすになったときには簡単な工事でワンルームにできるようにするのも一つのアイデアです。
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このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
家づくりを大切に考えることは、生き方を大切に考えることにつながるのではないでしょうか。一人ひとりの生き方、考え方に呼応してこそ、住む人の心を育む建築空間が生まれます。この世にひとつだけの家づくり。ぜひ、ご一緒できればと願っています。
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