窪田充見『家族法-民法を学ぶ』有斐閣,続き - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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窪田充見『家族法-民法を学ぶ』有斐閣,続き

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家族法 -- 民法を学ぶ 第2版/有斐閣
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窪田充見『家族法-民法を学ぶ』有斐閣(

離婚、財産分与、慰謝料、養育費(扶養義務)に関する部分を読みました。

ただし、明らかな誤解を発見した。88頁に、調停に代わる審判により離婚が認められるという記述がある。しかし、家事事件手続法284条は、家事事件手続法277条1項による場合に、調停に代わる審判を認めているが、277条1項括弧書きは、離婚・離縁を除くとしているので、そもそも離婚については、調停に代わる審判は制度上適用はないからである。

また、過去の婚姻費用の精算について、財産分与とは別に認められるかという論点(113頁)に関しては、わざわざコラムを設けて1頁を割いているが、現在では、家事事件手続法別表第2の2で、明示的に認められていると解すべきではなかろうか。

相続法の部分について。

また、同書369頁において、限定承認は実務上利用されていない理由を2つ掲げているが、限定承認した場合には、譲渡所得税が課税され(所得税法5911号)、相続税よりも課税上不利である点が抜けている。なお、同書の末尾で,相続と税金について触れられているが、限定承認は実例が少ないとして省略されてしまっている。限定承認についての税の実例が少ないのは課税上不利だからである。

 

 

20131月・第2版)……法学教室の連載を単行本化したもの。民法(親権停止)改正や家事事件手続法の立法に対応している。約565頁だが、文字のフォントが大きく、行間の余白も大きいせいもあり、平易な文章、ユーモラスな文体と充実したコラムにより、読みやすい。おおむね判例にしたがっており、読んでいて安定感がある。最高裁判例の引用・分析も豊富で適切である。

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