家事調停申立書の写しの送付 - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月21日更新

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家事調停申立書の写しの送付

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○家事調停申立書の写しの送付

 家事調停の申立てがあった場合には、家庭裁判所は、申立てが不適法であるとき又は家事調停の手続の期日を経ないで第271条の規定により家事調停事件を終了させるときを除き、家事調停の申立書の写しを相手方に送付しなければならない。ただし、家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるときは、家事調停の申立てがあったことを通知することをもって、家事調停の申立書の写しの送付に代えることができる(家事事件手続法256条1項)。

 申立人は、裁判所向けの正本と、相手方の数と同じ部数の写しを、裁判所に提出する(家事事件手続規則127条、47条)。

 旧法では、家庭裁判所から「夫婦関係調整調停事件」が申立てられ、いつ出頭すべきか程度の記載くらいしかなかった呼び出しが届くにすぎなかった。一口に「夫婦関係調整調停事件」といっても、申立人が婚姻を継続するか、離婚を希望しているかでは、方向性は全く逆である。また、離婚を申立人が希望していても、相手方が離婚に納得していない事案では、離婚原因が何か(民法770条1項各号のどれか)や申立人が主張している事実(相手方と事実認識が異なることもよくある)すらも、あらかじめ分かっていない場合もある。相手方が離婚に納得していない事案では、申立人が主張している事実と相手方と事実認識が異なることもよくあり、いきなり証拠資料の提示(例えば、給料明細、源泉徴収票など)を求められても応じるのは無理であった。離婚については同意している場合でも、財産分与・慰謝料・婚姻費用・養育費等を含めた金銭等の給付の内容・金額も全く分からずに家庭裁判所に行くのが通常であった。

 そのため、当事者の手続保障と第1回調停期日の充実を図るため、申立書の写しが送付される改正がされた。

 申立人としては、相手方に調停申立書を読まれることを想定して、証拠の裏付けのない思い込み、いたずらに感情的・攻撃的な表現を避けるべきであろう。

 相手方としては、申立書に記載された事実について、よく検討して、できれば事前に証拠資料のコピーを持参する準備をしておくのが望ましい。

特に申立人と相手方の事実認識が異なる争点については、注意が必要である。

離婚の原因を作った有責配偶者からの離婚請求は原則として認められないため、当事者双方で争点となりやすい。極端な例として、不貞行為をした配偶者がその事実を隠して、他の離婚原因を持ち出して(例えば、婚姻を継続し難い愛情の欠如、DVなど)、離婚調停を申立てることすらある。

また、有責配偶者となれば、通常の財産分与に加えて、慰謝料の支払義務が生じる。離婚原因の有無・程度により、金額を含めた結論が左右されるので、深刻な争点となりがちである。

なお、調停申立書の写しが送付されないのは、「家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるとき」であり、家事調停の申立てがあったことの通知をもって代えることができる(家事事件手続法256条1項ただし書)。 「家事調停の手続の円滑な進行を妨げるおそれがあると認められるとき」とは、相手方の手続保障を制限してもやむを得ないような場合であるから、例えば、申立書に誹謗中傷が記載されている場合、相手方が極端なDVの加害者である場合などであろう。

 

 

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