離婚に関する慰謝料請求 - 家事事件 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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対象:民事家事・生活トラブル

鈴木 祥平
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村田 英幸
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閲覧数順 2017年08月18日更新

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離婚に関する慰謝料請求

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○慰謝料

 離婚を理由とする慰謝料請求は、①離婚の原因となった個々の加害行為、②その結果として生じた離婚そのもの、について、不法行為に基づく損害賠償責任と解するのが最高裁判例である(最高裁昭和46・7・23判決)。

 上記最高裁判例は、上記①と②を区別して、不法行為に基づく損害賠償責任の3年の消滅時効(民法724条)の起算点である「損害および加害者を知ったとき」について、①個々の加害行為についての慰謝料ではなく、②離婚そのものを理由とする慰謝料請求については、離婚請求を認容した判決が確定した時点(つまり、離婚の結果発生時)から起算するとしたものである。

この判例理論によれば、協議離婚成立(離婚届出受理日)、離婚調停成立日などが消滅時効の起算点となると解される。

 離婚請求をしないで、例えば、不貞行為を理由とする不法行為に基づく損害賠償責任だけを追求する場合もある。

 

 

○慰謝料請求の手段

・慰謝料請求だけをする場合

・民事訴訟

・民事調停

・家事調停

 慰謝料請求だけであれば、身分関係の確認形成を目的とする人事訴訟(人事訴訟法2条)に該当しないが、「その他家庭に関する事件」(家事事件手続法274条1項)として、家事調停の対象となる。

 民事訴訟の場合、地方裁判所または簡易裁判所の管轄となる。

 民事調停の場合、原則として、簡易裁判所の管轄である。例外として、地方裁判所での民事調停、家庭裁判所での家事調停に付される場合がある。

 土地管轄は、

原告・申立人の住所地。不法行為に基づく損害賠償責任は持参債務だからである。

被告・相手方の住所地

合意管轄

応訴管轄

などである。

 

・離婚請求とともに慰謝料請求する場合

・家事調停

・人事訴訟

 慰謝料請求は、人事訴訟の対象(人事訴訟法2条1号)である離婚請求訴訟の関連請求(人事訴訟法17条)である。

土地管轄は、

原告・申立人の住所地。不法行為に基づく損害賠償責任は持参債務だからである。

被告・相手方の住所地

合意管轄

応訴管轄

などである。

 

○遅延損害金の起算点

 不法行為に基づく損害賠償責任は、催告を要しないで、加害行為当日から遅滞になり、遅延損害金は、不法行為当日から完済まで年5%の割合と解するのが判例である。

 

○第三者に対する慰謝料請求

 例えば、配偶者との不貞行為の相手について、不法行為に基づく慰謝料請求ができる。

 配偶者の慰謝料の不法行為に基づく損害賠償責任と、第三者の不法行為に基づく損害賠償責任は、不真正連帯債務である。

 第三者に対してだけ慰謝料請求してもよいし、配偶者(であった者)に対する慰謝料請求・離婚請求とともに行ってよい。

ただし、第三者と配偶者に対する慰謝料の総額は、同じ不貞行為を理由とする場合には同額である。どちらか一方から弁済を受ければ、他方の損害賠償責任は、弁済を受けた分だけ減額される。一般の方がよく誤解されるのは、「不貞行為の結果、離婚にいたった場合の慰謝料の相場が100万円~300万円である。」と回答すると、その額が2倍になると考える方がいる。正しくは、2倍にはならず、同じ金額ということである。

もっとも、例えば、配偶者が、不貞行為に加えて違う嫌がらせ・DVなどをした場合には、配偶者に対してだけ慰謝料請求の額は増える。

慰謝料だけをする場合、離婚請求とともにする場合は、配偶者に対して行うのと同じである。

なお、身分関係にない第三者に対する慰謝料請求が家事調停・人事訴訟の関連請求となるのは、家庭内における不法行為に基づく損害賠償責任と発生原因事実が同じだからである。

 土地管轄について、上記に加えて、被告のうちの第三者の住所地も管轄裁判所となる。

 

○財産分与との関係

 財産分与は、夫婦が共同して築いた財産関係の清算、婚姻費用の分担、慰謝料、将来の扶養が含まれると解するのが最高裁判例である。

 慰謝料請求の額だけを見ると、それほど高額ではないが、上記のような各種の項目を積み上げていくと、婚姻期間が長い場合、資産・収入がある場合には、高額になる場合がある。

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